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海外で話題になった“意外なシーン”

――海外の方からの反応は、日本の視聴者からの反応と違いますか。

穂志 意外な反応をもらえることは多いですね。日本人から見たら「何でその場面が好きなんだろう」みたいなシーンが、海外の方には刺さっていることがあります。

 第6話で私がお茶を飲んでいるシーンがあるんですが、この場面を演じているときに撮影現場でみんなが笑っていて。

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 最初はなんで笑っているのか分からなかったんですけれど、どうやら向こうには“Spill the Tea”という言い回しがあって。直訳すると「お茶をこぼす」ですけれど、「噂話をする」という意味があるんです。ちょうど噂話(Spill the Tea)がされているタイミングで、お茶(Tea)を飲んでいるというのが面白かったみたいで。実際に、配信されてから海外では話題になっていました。

 これはスタッフの皆さんが笑っている理由が分かったケースですけれど、他にも撮影中になぜか私の芝居を見てスタッフさんが笑っていることは多かったです。私としては一生懸命やっていただけなのに、途中からスタッフさんのあいだで藤が面白キャラみたいな扱いをされ始めて……。派手なことをしているつもりはなかったんですけれど、私の顔の表情や表現が意外だったようで、面白がってもらえたみたいです。

 スタッフさんがよく現場で「藤のGIFを作りたい」と言っていたんですが、実際に放送されてから、SNSで私のGIFを本当に見かけるようになってびっくりしました。まさかこんなにたくさん作られるとは思ってなかったですけれど、「あ、私だ」って思いながら見ています(笑)。

「SHOGUN 将軍」第6話での一シーン ©2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

宇佐見藤が生まれるまで

――藤がスタッフの方から愛されていたことが伝わってきます。藤を演じる上で心掛けていたことなどはありましたか。

穂志 藤の生い立ちやキャラクターについては、カナダに渡る前にショーランナー(製作総指揮)のジャスティン・マークスにZoomで質問をしました。

 藤は19歳という若い設定なんですね。そして、鞠子(演:アンナ・サワイ 細川ガラシャにインスパイアされた人物)のように凄惨な過去を乗り越えてきたというよりは、地位のある武家の娘として、比較的不自由なく生きてきた人です。だから鞠子には落ち着きがありますけれど、一方で藤はもう少し自由さがあるというか。感情的になったり、茶目っ気があったりしてもいいのかなという話になって、それは意識して演じていましたね。

 でも、そんな子が世の中の情勢に巻き込まれて、色々な経験を重ねていく。藤を演じる中で、私も一緒に成長していくような気持ちでした。