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「実家に戻ってもギャンブルをやめられなかった」サラ金への“返済地獄”、20億円負けて裁判も…“ギャンブルで人生が狂った人たち”のリアル

「実家に戻ってもギャンブルをやめられなかった」サラ金への“返済地獄”、20億円負けて裁判も…“ギャンブルで人生が狂った人たち”のリアル

2024/06/14
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2回の来店で20億円負けて民事訴訟に

「1回目で7億5000万円、2回目に来た時には12億円の負け。2回の来店でA会長はトータルで20億円近くもの負けを抱えることになりました。すぐにはそんな大金を用意できないと言うので、一時的に店が負け分を肩代わりして、会長には借用書を書いてもらいました。店としては負け分を他の客に払わないと、示しがつきませんからね。そのときは私も必死でお金を集めましたよ」

 ところが肩代わりした金を回収しようという段階になって、A会長はゴネ始めたという。

「こんなに支払うのはおかしい、減額してほしいと交渉してきたんです。借用書もありますし、そう簡単に引き下がるわけにもいかず、民事訴訟もしました。でもそも裏カジノでの揉め事ですから裁判所も真剣に取り合ってくれず、結局20億円の半分も戻ってきませんでしたね」

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※写真はイメージ ©DESIGN_IMAGE/イメージマート

何気なく入ったポーカー屋で…

 何気ないきっかけから、ギャンブル沼に引きずり込まれてしまった人もいる。中村聡さん(仮名・53歳)は、先輩と気軽な気持ちから入ったポーカー屋で人生が狂ったと語る。

「もう20年以上前の話ですが、先輩と歌舞伎町で飲んでいて、たまたま見つけたのがポーカー屋でした。当時は歌舞伎町に限らず、全国どこにでもあったんですよ。その時はとりあえず入ってみるか、ぐらいの軽い気持ちでした」

 酔った勢いで入った“10円ポーカー”と書かれたお店は、ポーカーのビデオゲーム機が十数台並んだ店だった。

「初回は1万円払うと1万円のサービスがついて、計2万円分遊べたんですよ。で、1ゲームにつき500円まで賭けられ、2万円分もあると『結構遊べるな』って感じるけど、これが一瞬なんですよ。1万円で20ゲームやっても10分も持たない。まるで溶けるみたいに、お金があっという間に無くなっていくんです」

 その「負け」がギャンブル沼にハマる第一歩だったという。

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