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バクチにかけた男たち

「実家に戻ってもギャンブルをやめられなかった」サラ金への“返済地獄”、20億円負けて裁判も…“ギャンブルで人生が狂った人たち”のリアル

「実家に戻ってもギャンブルをやめられなかった」サラ金への“返済地獄”、20億円負けて裁判も…“ギャンブルで人生が狂った人たち”のリアル

2024/06/14
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500円が一瞬で100倍になるなら…

「僕がハマったのはラッキーフルハウスという機械で、ラッキーナンバーに絡んだフルハウスを出せると一発で5万円になる、というルールでした。つまり、『うまくやれば500円が5万円になる。500円が一瞬で100倍になるなら……』と夢を見てしまったんです」

※写真はイメージ ©AFLO

勝てる日があるともうやめられない

 中村さんがハマったポーカーは、いらないカードを捨てて手札の役を揃え勝負するという、ごく一般的なルールのものだったが、裏カジノならではの高額なボーナスもあった。

「店によって独自のルールがあるんですけど、揃えた役によって、5万、10万円がプラスで貰えるんです。たとえば同じ数の札4枚を揃える『フォーカード』という役で、店内にいる客全員でビンゴのように1から13までのフォーカードを揃える店内イベントがあり、最後の数字を揃えたらプラス10万円とか。うまく客のテンションが上がるように設定されていました」

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 ポーカー店の独特な熱気に押され、中村さんはギャンブル沼にのめり込んでいった。

「自分のラッキーナンバーでフォーカードを揃え、なおかつ店内ビンゴと個人ビンゴ(店内ビンゴと同じように個人でもビンゴを揃えるボーナスイベントがあった)がもし同時に揃うと一撃で25万円になったんですよ。最終的に25万円勝てるなら、極端な話、24万円まで使ってもプラスになるわけだし問題ないと考えるようになりました。冷静に考えればそんな都合のいい話はないんですけどね。数回に1回でも勝てる日があるともうやめられない。『この店、最高!』って当時は思ってました」

※写真はイメージ ©masamasa3/イメージマート

 中村さんが店に通う頻度は徐々に増え、しまいには毎日のように賭けに興じるようになってしまう。

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