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ジャッジやスケ連を直球批判、羽生結弦や本田真凜には感謝を口に…宇野昌磨(26)が世界中から愛された“ぶっちゃける力”の特別さ

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 5月9日、フィギュアスケートの宇野昌磨(26)が引退を発表した。2018年平昌五輪で銀メダル、22年北京五輪では銅メダルを獲得、世界選手権は22、23年と連覇。世界を牽引したスケーターの引退はアメリカ、ロシアなど海外でも大きく報じられている。その理由は成績だけではない。

「宇野選手は際立った個性で海外にも多くのファンがいました。最大の特徴はその“率直さ”です」(一般紙スポーツ担当記者)

北京オリンピック2022 ©JMPA

世界選手権の選考に「あまりうれしく思えない部分もある」と直球批判

 その一例として、22年全日本選手権後に行われた世界選手権の代表発表会見をあげる。

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「同じコーチに指導を受ける島田高志郎選手が、全日本選手権2位にもかかわらず世界選手権の代表に選ばれなかった。これに対して宇野選手が『選考基準はどういったものかよく分からないですが、あまりうれしく思えない部分もある』と真っ向から疑問を呈したのです。今まで選手がこうした発言をすることはなく、日本スケート連盟内で波紋を呼びました」(同前)

 率直すぎる言動の矛先は、ジャッジにも向かった。

「昨年11月のNHK杯では、会心の出来だと思ったにもかかわらずジャンプの回転不足を多数取られた。これに宇野選手は『採点とか人それぞれだと思いますし、文句も言いたくないですが』と納得いかないことを暗に示し、議論を呼びました。ここまで思ったことを“ぶっちゃける”選手は、フィギュアスケートに限らず日本では珍しい」(同前)

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