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 たくさんの人が行き交ってもゆとりのある高架下の自由通路。高架下には土産物店や飲食店が入った規模の大きな商業施設もあり、その中も賑わっている。飲食店ゾーンには定番の日本海の魚を食べさせてくれる店から、ご存知ゴーゴーカレーまで。

 とどのつまり、食べたり買ったりだけならば、駅の中だけでもだいたいが済んでしまう。それくらい、この駅の規模は圧巻である。

駅を出て町に繰り出そうとした観光客がきまって「足を止める」場所

 そして、金沢駅にやってきた観光客たちが、いざ町に繰り出そうとするときに、きまって足を止めて写真撮影に興じるスポットが、鼓門だ。

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 金沢駅といえば鼓門。もはやそれくらいのシンボルになっている東口(兼六園口)の大きな門。ガラス張りの天井で覆われたもてなしドームの向こう側にあって、圧倒的な存在感を放っている。

 

 2005年に鼓門ができたときには、奇抜で趣味が悪いなどと評する向きもあったように記憶している。けれど、いまとなってはすっかり金沢のシンボルになっている。なんでも、伝統芸能の能楽の鼓をモチーフにデザインされ、北陸の大雪を受け止める構造になっているのだとか。寄っても引いても実に映える、そんな金沢の玄関口である。

 ちなみに、この鼓門のすぐ近く、バスのりばの前にはひっくり返ったやかんのオブジェもある。鼓門の勇壮さからすれば見逃してしまいそうだが、商業施設の入り口の前にあることもあって、地元の人たちの待ち合わせスポットにはなっているようだ。

駅前の通りを渡ったところには広大な空き地も…

 いずれにしても誰もが足を止めて写真撮影に興じる鼓門。できたときにはインスタグラムもiPhoneもまだなかったが、誰も彼もが写真を撮るいまの時代を見通していたとすれば、先見の明たるやいかばかり。

 この鼓門を中心に、東口(兼六園口)が金沢の中心市街地への玄関口だ。駅前広場を取り囲むように大きなホテルがいくつも建ち並ぶ。駅前の通りを渡ったところには工事中の広大な空き地もあった。

 きっと、ホテルか何か、観光系の施設になるのだろう。そのほとんどは格安のビジネスホテルとは一線を画するシティホテルだ。このあたりも観光都市ならではといったところだ。

 

 ただ、金沢の中心市街地は駅から少し離れた場所にある。駅前の目抜き通りを東にしばらく歩くと、国道8号と交わる武蔵ヶ辻の交差点。一角には近江町市場や金沢エムザ(金沢丸越百貨店)が建ち、ここから南に向けて国道8号沿いが金沢の中心地になっている。