日本を代表する観光都市を挙げるとするならば、どこになるだろうか。
もちろん、いうまでもなくその筆頭は京都だ。最近ではオーバーツーリズムなんてものも話題になっていて、観光都市ならではの苦労もあるのだろうが、修学旅行からはじまってほとんどの日本人は一度ならず京都観光をしたことがあるにちがいない。そして外国人もまた、こぞって京都にやってくる。
そんな京都を横におけば、少なくとも五指に入るといっていいのが金沢である。
北陸新幹線“ナゾの人であふれかえる駅”「金沢」には何がある?
金沢といえば、いうまでもなく加賀百万石だ。もともとは一向宗の寺内町だったが、近世以後は加賀藩前田家の城下町。加賀国だけでなく能登や越中も合わせて日本一の大藩になっていた。
その当時の面影が、いまも町のあちこちに残っている。伝統工芸や歴史に裏打ちされた庶民文化も花開き、金沢21世紀美術館のような新しい見どころもふんだんだ。だから、金沢にはいつのときも大挙して観光客が押し寄せる。日本全国、ほかにもいくつも観光都市はあるにせよ、金沢は少なくとも指折りの観光地であることはまちがいない。
そういうわけで、金沢市のターミナル・金沢駅にやってきた。東京から北陸新幹線に乗ったら2時間半。大阪に行くのと同じくらいだと思えば、日本海沿いの観光都市も意外と近い。それに、金沢駅は北陸新幹線が敦賀に延伸するまで、つまり今年の3月までは終着駅でもあった。
東京駅のホームに立って「金沢行き」などという案内放送を聞くと、そこに行くつもりでなくともなんとなく旅行欲が刺激される。そんな響きも金沢駅は持っているのだ。ちなみに、敦賀まで延伸したいまでも、実は東京駅から出発する北陸新幹線の列車の多くは金沢駅が終点である。
新幹線を降りると駅がものすごい人で溢れかえっていた…なぜ…
そんな東京から一直線の金沢駅で新幹線を降りると……駅の中はものすごい人で溢れかえっていた。
日本人観光客はもちろんのこと、大きなスーツケースをいくつも抱えた外国人観光客の集団もいる。アジアから欧米まで、あらゆるところからあらゆる人々が金沢目指してやってきているようだ。
それでも、これほどにたくさんの観光客が集う駅なのだから、金沢駅の規模は大きい。
乗り入れている路線からすれば北陸新幹線の他には元北陸本線の第三セクター、IRいしかわ鉄道線。駅前の地下からローカル私鉄の北陸鉄道が走っているくらいだ。それにしては大きすぎるというほどに金沢駅はでかい。