公立の小学校、中学校、高校を経て、一浪して東京大学理科II類に入学。現在は、9歳、7歳、5歳の男の子たちを育てている中村希さん。長男が生後4ヶ月だった頃に始めた学習塾「みらい塾エイトステップス」の塾長としての顔も持ちます。

 ここでは、そんな中村さんが「子育て哲学」について詳しく紹介した『田舎の公立小中高から東大に入った私の勉強法』(平凡社新書)より一部を抜粋。東大卒ママが気がついた“わが子へのイライラ”の正体とは……。(全3回の2回目/続きを読む

イライラする母親(イメージ)

◆◆◆

ADVERTISEMENT

わが子へのイライラは自分へのイライラ

 わが子に対してイライラしてしまうことを分析してみると、子どもにイライラしているわけではなく、実は自分にイライラしていて、イライラしているときにイヤなことがあるともっとイライラする、ということがわかりました。

 例えば、幼稚園に行く前にイライラしてしまうのは、私の場合であれば、

・そもそも起きたのが遅く、その時間まで子どもと一緒に寝ていた自分に罪悪感を抱いている

・子ども自身のペースだと全くもって間に合わない

・もっと早く起きれば問題なかったのにこのままでは遅刻してしまう

 という、「母親である自分が起きられなかったこと」にすでに申し訳なさ、悔しさを感じている上に「自分の思い通りに子どもが動かないこと」にもどかしさを感じていることが原因です。

 これをまず、自分自身が早く起きて、自分の朝の準備も済ませ、朝ごはんをすぐに食べ始められる状況が整ったところに、時間に余裕をもってわが子が起きてきたとしたら、ストレス度合いはまるで違うと思いませんか?

 他に、部屋が汚いとイライラします。それはなぜかというと、私がものを捨てたり、部屋を片付けることに対して苦手意識があり、わが子が片付けない状況を目の当たりにすると、「片付けが苦手な私が育てているから、片付けのできない人間に育ってしまったのだ。私がいけないんだ」と思ってしまうからです。勝手に自分の性格と自分の子育てを否定する気持ちになって悲しくなり、イライラが爆発してしまうのです。