公立の小学校、中学校、高校を経て、一浪して東京大学理科II類に入学。現在は、9歳、7歳、5歳の男の子たちを育てている中村希さん。長男が生後4ヶ月だった頃に始めた学習塾「みらい塾エイトステップス」の塾長としての顔も持ちます。
ここでは、そんな中村さんが「子育て哲学」について詳しく紹介した『田舎の公立小中高から東大に入った私の勉強法』(平凡社新書)より一部を抜粋。東大卒ママがわが子をバイリンガルに育てるために選んだ方法とは……。(全3回の3回目/最初から読む)
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「英語は話せて当たり前。親が翼として授けるべき」
長男が生まれたとき、「英語とか話せるようにさせたいよね~」という気持ちはありつつも、なかなか行動に移すことはできませんでした。Amazon Prime Videoを見せていたときに「英語で見ればいいのでは?」ということも頭をかすめましたが、それすらも実行に至らず。ディズニー英語システムをやっている知り合いがいて検討するも金額に驚き断念……。
その後、英語については特に重視することもなく、家の近くの家族経営のアットホームな幼稚園に入りました。親子ともに友だちもできてとても楽しく通っていました。年中さんになった頃、私自身が宅建の勉強や塾の仕事が忙しくなってしまい、「もう少し息子を預けられる時間を延ばしたい」という気持ちが強くなっていきました。
保育園に入れようか、仕事の時間をやりくりしようかと迷う中で、ちょうどそのとき読んでいた勝間和代さんの本の一節に目がとまりました。「迷うということは、その選択肢の中に本当に望んでいるものはない」といった旨の言葉でした。そこからさらに「子どもの預け先に望んでいるものは何なのか?」と考えていたのですが、今度はインスタグラムで、バイリンガル育児をしている人の考え方に出会い、衝撃を受けます。今までは、息子たちは英語ができたらいいよね、というくらいにしか思っていなかったのですが、その人は「英語は話せて当たり前。英語くらいは親が翼として授けるべき」という認識を持っていたのです。私は「ほお~」と驚くばかりでした。