30年ぶりに主人公以外を演じた
『踊る大捜査線』の青島刑事は織田さんにとって、前述の“ちょっと抜けたところもあるが芯は熱いキャラ”の代表格になったのです。
その芯が熱いキャラの系譜は、昨年放送された連続ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)にも、引き継がれていたように思います。
『シッコウ!!』の主演は伊藤沙莉さんで、織田さんが30年ぶりに主役以外を演じることで大きな話題に。
ただ、本作は執行官の仕事にフィーチャーしたリーガルエンターテインメントで、織田さんが演じたのはまさしくその執行官。伊藤さん演じる主人公は執行官のアシスタント的な役割を果たす執行補助者で、バディもののような作風だったため、伊藤さん&織田さんの実質ダブル主演のような作品でした。
織田さんの執行官は、情に厚いところや少々ドジっぽい一面があり、執行官としての正義感と現実のはざまで悩みを抱えているなど、ちょっと『踊る大捜査線』の青島刑事っぽくもあります。もし青島が刑事の道ではなく法曹界を目指していて、50代で執行官になっていたとしたら、ちょうどこんな感じなんじゃないかというキャラクターで、『踊る大捜査線』ファンなら一見の価値ありだと思います。
織田さんには2000年代にも2010年代にも多数の主演ドラマや主演映画があり、たとえば連続ドラマでは『外交官 黒田康作』シリーズ(2011年/フジテレビ系)や『SUITS/スーツ』シリーズなどヒット作もあります。
ですが、やはり織田裕二の代表作と言えば『踊る大捜査線』なのです。
織田さんがかつてのインタビューで語っていた、青島刑事を定年退職まで演じたかったという心意気を信じて、続報を待ちましょう。