大きな放物線を描いてスタンドに突き刺さる大谷翔平のホームランは、世界中の野球ファンを驚かせ、魅了している。初期の時代には、あのベーブ・ルースが放つホームランも大谷と同様に野球ファンを熱狂させ続けた。
過去も現在も野球の「華」と称されるホームランだが、そもそも「ホームラン」とは、いつ、どこで誕生したのか。ここでは、AKI猪瀬氏の著書『大谷翔平とホームラン』(KADOKAWA)より一部を抜粋。起源に関しては諸説あるため、アメリカ国内で有力視されている説をもとに野球とホームランの歴史を紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)
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ホームランの誕生
諸説ある中だが、一例として紹介した野球誕生の時系列の中に、ホームランに関する史実は残っていなかった。では、ホームランはどのように誕生したのか。
現在のホームランの定義は、
「打者が打った打球が地面あるいは野手以外のものに触れることなく、両翼のファールラインとフェンスの交差地点の間を通過してフィールドの外に出た場合」
とされている。
この他にも、
「外野手のグラブに当たった後にフェンスを越える」
「インサイド・ザ・パーク・ホームラン(ランニングホームラン)」
など、様々な定義が存在する。
初めて外野フェンスが球場に設置される
しかし、野球のルールが統一化されていく時代には、ホームランの定義に欠かすことができない外野フェンスが存在していなかった。外野フェンスが初めて設置された球場とされているのが、1862年5月15日に最初の試合が行われたユニオン・グラウンズである。