そう考えると、YouTubeをやることで張り合いが出ますよね。ただ、デジタルの中に過去の“記録”が全部あるので、それはちょっと、うっ、となることはありますね。
――具体的にはどういうことでしょうか。
Otomato 「老い」の記録がある、ということですね。肌の艶やハリが刻々と変わっているのが如実にわかりますから。ちょっと前の自分のインスタを見て、「ああ、このときはまだきれいだったな」とかって思います(笑)。
昔は食べているときの自撮りも全然平気だったんですけど、今だとほっぺにおばあちゃんみたいな袋が出たり、手に筋が出たり出なかったりとか、めちゃくちゃいろんな変化があって。なので最近は、食べているときは手元だけ映すようになりました。
SNSはお年寄りにおすすめ
――映像の編集技術で修正をしたり、美容整形で直そうとは思わない?
Otomato 特に、整形は思わないです。上手にできている例をあまり知らないせいかもしれませんが、私はちょっと苦手で。と言いながら、来年になったらやってたりして(笑)。
――「老い」は怖いものではないですか。
Otomato 体が動かなくなるとか、そういう恐怖はありますね。つい最近も肉離れをおこしてしまって、杖をついていたんです。
そもそも、教員をしていたときは常に学校中を歩いたり声を出したりしていたので、リタイア後の変化が大きいんですよね。仕事を辞めたら声も出さないし、笑わないし、しゃべらない。あまり社交的ではないから友だちもほとんどいませんし。
なので、そういう意味でも、SNSはお年寄りにおすすめです。若い人にはない、いろんな特技が皆さんにはあるし、自分にとってはごく当たり前の日常も、違う世代の人には新鮮に映ることもあると思うんです。
トレンドを意識しつつ、自分スタイルを持ちたい
――70代、80代と、今後はどんなファッションをしたいですか。
Otomato 40代ぐらいまではトレンドを追っても似合うと思うんですが、私のような50代後半になってくると、流行と自分がマッチしないというか、イタい感じに見えがちなんです。
だから、トレンドを意識しつつも自分スタイルを持ちたいなと思っていて、60代、70代、80代では、自分軸のおしゃれを楽しみたいですね。
写真=平松市聖/文藝春秋
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