――「尋常性白斑」という病名をどのように受け止めましたか。
奥菜 今は診断から3年が経ったので受け入れられていますけど、そのときは頭が真っ白になりました。お医者さんからは、「全身に広がっていく可能性がある」と言われて、恐怖しかなかったです。人前に出る仕事でもあるので、いつまで続けられるんだろう、という思いもありました。
――その思いが、美容液の開発にもつながっていったのでしょうか。
奥菜 肌の悩みでこんなに心が沈むものなのか、とショックを受けました。私はお医者さんではないけど、同じように肌の悩みを抱える人のためになにかできることはないかと思うようになって、化粧品を作ることになったんです。
家族や事務所に伝えずに病気を公表したワケ
――病気を公表することは自然な選択でしたか?
奥菜 もともと公表するつもりはなかったんですけど、美容液をリリースするタイミングで、やっぱりこの病気がきっかけになったということは伝えたいなと思ったんです。
――周囲の反応はいかがでしたか。
奥菜 言って良かったと思いました。病気の認知度が低いために、いじめや差別に遭っている方もいると知り、びっくりしました。自分が発信することで多くの人に病気の理解が深まって、差別をなくす一助になれたらとも思います。
ただ、公表することを家族にも事務所にも伝えていなかったので、「ええ!?」ってびっくりさせてしまったんですけども。
いろいろあったが、今が一番人生っていいなあと思えている
――思い立ってSNSで伝えた、というかたちだったんですね。
奥菜 わりと、突発的なところもあって(笑)。今は美容液の仕事の関係で、催事場での打ち合わせや事務仕事もしています。芸能以外の仕事をしたことがなかったので、学ぶことだらけで楽しいです。
紆余曲折、これまで本当にいろいろありましたが(笑)、今が一番、人生っていいなあと思えている気がしますね。
撮影=橋本篤/文藝春秋
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