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iPad Proより9万円も安いけど買って大丈夫? 新登場の13インチ版「iPad Air」で“削られた”レンズ、重さ、明るさ、スピーカー…

iPad Proより9万円も安いけど買って大丈夫? 新登場の13インチ版「iPad Air」で“削られた”レンズ、重さ、明るさ、スピーカー…

2024/05/24
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最新のiPad Proと比べた場合の気になる違いとは

 このように、世代がふたつ古い第5世代12.9インチiPad Proと比べた場合は、それほど影響のある違いはないのですが、本製品と同時に発売された最新の13インチiPad Proとの比較では、気になる違いがいくつかあります。

 ひとつは薄さと軽さです。13インチiPad Proは、iPad史上最薄の5.1mmという厚みを実現しています。本製品も従来のiPad Proよりは薄くなっているのですが、厚みは6.1mmと、1mmもの差をつけられており、13インチiPad Proを手に取ってしまったあとでは、分厚く感じられてしまうので困ったものです。

 また薄型化と並行して、大幅に軽量化されているのも特徴です。ほぼ同等サイズでありながら、iPad AirとiPad Proには約40gの重量さがあります。少しでも軽いことを優先するのであれば、今回のiPad Airはどうしても不利になってしまいます。

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 さらに画面の明るさもかなりの差があります。単にまぶしいだけではなく、屋外で撮った空の写真は雲のディティールがはっきりしていたり、食べ物やオブジェのハイライトが強調されていたりと、同じ写真を表示した時に、iPad Airでは見えないディティールが、iPad Proでは見えたりします。

 これは写真や動画を表示する機会が多い人や、イラストを描くなど色調にこだわる人にとっては、見逃せないポイントです。写真やイラストで食べている人であれば、このあたりケチるべきではないでしょうし、見る専門の人にとっても、クリエイターのこだわりを堪能するには、iPad Proのほうが有利ということになります。

 このほか意外と大きな違いなのがスピーカーです。iPad Airは本体を横向きにした時に、左右にひとつずつ、計2基のスピーカーがありますが、iPad Proは、左右それぞれの側に2つずつ、計4基のスピーカーを備えています。

 これらは、音源によっては迫力がまったく違ってくる上、iPad Proは本体を縦向きにした時もスピーカーが左右に配置できる利点があります。iPad Airもシングルスピーカーのようなチープさはなく、品質的には及第点なのですが、外付けスピーカーを使わずに音を楽しみたい場合は、iPad Proが有利であることは事実です。

左が「13インチiPad Air」、右が「13インチiPad Pro」。こちらも正面からの見た目はそっくりです。ちなみに画面サイズはミリ単位で13インチiPad Proのほうが大きめです
ボディの厚みは13インチiPad Air(左)が6.1mm、13インチiPad Pro(右)が5.1mm。持ち比べるとその違いは歴然です
iPhoneで撮った写真を最大の明るさで表示したところ。13インチiPad Air(左)では表示できない雲のディティールが、13インチiPad Pro(右)では表現できています
それぞれの部分アップ。13インチiPad Pro(右)のほうがディティールが増しています