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「志乃と同時期に大きな病気にかかって…」中尾彬(81)が語っていた、妻・池波志乃(69)と“終活”を始めたきっかけ

source : 週刊文春 週刊文春 2019年3月21日号

genre : エンタメ, 芸能

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阿川 本は捨てられないものですか?

中尾 なかなかねえ。でも神田の古本屋さんを呼んで、料理の本、演劇の本とか専門ごとに分けてだいぶ引き取ってもらいました。

 今は本当に欲しいものを選んで持つようにしている。

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阿川 それは自分が大事にするより、ほかの人のものになればいいって感覚ですかね?

トレードマークの「ネジネジ」も200本捨てた

中尾 そうそう。捨てるんじゃなくてね。だから(首元のネジネジを指して)これなんかも200本捨てましたよ。

阿川 そんなに!? ちなみに、トレードマークのネジネジはいつから……?

中尾 20年くらい前です。バリ島にロケに行ったときに、バティックと言うんですけど、こういう布を何枚か買ってたの。で、帰国するという日に空港に行ったら、飛行機が飛ばないという。明日東京で仕事があると言っても全然通じなくて、しょうがないから、ロビーでバティックを巻いて寝てたんです。やることもないし、なんで飛ばないんだろうなと思ってたら、この状態になってました(笑)。

阿川 イライラした結果だったの?

中尾 うん。だから、僕は「イライラ巻き」と呼んでる。「ネジネジ」は志乃が言ってるんです。ちょうどロケには神田正輝も一緒に行っていて、「あ、中尾さん、カッコイイですね」と言われたから、その気になってずっとやってるだけの話。

“終活”で「200本捨てた」という中尾さんのトレードマークのネクタイ ©文藝春秋

阿川 でも、それもだいぶ処分されて。

中尾 こういうのは、自分の好きな色や、季節に合う合わないがある。だから、捨てるんじゃなくて欲しい人に分けました。

阿川 そういう風に整理なさったあと、逆に棚を買ったと『終活夫婦』の中にありましたけど。

中尾 ああ、要はたくさん処理して余裕ができたから、今度は逆に本当に欲しいものを保管しておくために棚を買ったんです。昔はとにかく色んなものを所有することが、自分が頑張ったことの1つの象徴だったかもしれないけど、いまは選んで持つようにしてるんです。なにか欲しいなと思ったら二晩寝て、それでも欲しかったら買うようにしています。

阿川 一晩じゃ短い?

中尾 足りないですね。

阿川 仕事に関しては整理はされないんですか? もう舞台はお出にならないと本にありましたけど。