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  山田被告は直後の横浜市旭区の事件にも参加している。

「断ることができず、参加しました。(中略)旭区の事件ではキムから2日前に指示がありました。他のメンバーと僕とで《宅配業者になりすまして行け!》と言われました。1度目、インターフォンを押しましたが留守でした。2、3時間待って再度インターフォンを押しましたが、やはり反応がありません。キムに伝えると、《空巣案件に変更》と言われ、他のメンバーが窓ガラスから入り、玄関の鍵を開けてくれたので、僕も入りました。物色をすると、仲間が皿の入った箱を持っていました」

  車内で他のメンバーに「この皿は高く売れるからあげる」と言われ、山田被告は皿を受け取ったが最終的には売るわけでもなく捨てている。その後、山田被告は「ルフィ」らが参加するテレグラムの強盗グループに参加している。

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「ルフィ強盗団」の藤田容疑者

「変態熟女の相手をする仕事を探していた」が見つからず…

  山田被告の最後の犯行は、年が明けて23年1月に足立区で起こした特殊詐欺事件だった。これは「ルフィ」たちのグループではなく、ネット上の掲示板で見つけたものだった。「熟女が好き」だという山田被告は当初は「変態熟女の相手をする仕事を探していた」という。しかし見つからず、《ホワイトな仕事》という書き込みを見つけたという。

  問い合わせ先に連絡すると「債権回収」の仕事と言われたという。当日は上司にあたる人物から「自宅待機」を命じられていた。

「事件の1~2時間前、上司から『他の会社の応援に行ってほしい』と言われました。タクシーの車内で『旦那に内緒でおばあちゃんがお金を借りている。回収してくれ』と指示を受けました。被害者宅付近に着きました。すると指示役から『家から出すから待ってて』と言われ、10分か15分待っていました。しかし出てこないので、インターフォンを押しました。家の中に入ると、おばあちゃんがお金を数え始めました。数えるのが2回目になり、『こっちで数えるから大丈夫ですよ』と言うと、また数え始めたので、途中でまた同じことを言いました。おばあちゃんは『あら、それじゃよろしくね』と言いました」

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  その後、現金とキャッシュカードを受け取り、コンビニで現金をおろすと指示役から《公園に置くように》と言われたという。山田被告はこの事件について「騙された」と主張している。

「法律違反ではないか? ということですが、法律を知りません。債権回収の会社の上司の名前は忘れました。会社名は聞いていません。応援先の会社で指示をした人の名前も知りません。1日しか関わっていません。このときはシグナルというアプリで指示を受けていました。領収書も渡していません」

「弱い人を助けたい」と言いながら強盗を繰り返し、あからさまな特殊詐欺に加担したことを「騙された」と主張した山田被告。一体どのような判決になるのだろうか。判決は5月31日。