『それは、15%引きがいくらになるか、っていうところが、よくわからないんじゃないでしょうかね』
「たしかにそんな感じがします。数学が苦手な人は多いけど、これは数学っていうより算数でしょうし、電卓を使ってるんですけど、何%引きがいくらになるっていう計算がうまくできないのかもしれませんね」
論理的思考能力を鍛えるためには…
そこで、まずは人とのコミュニケーションでは、打ち解けてしゃべるなど気持ちを通い合わせる能力だけでなく、理屈が通じるという意味での論理能力も重要な要素になることを説明し、論理能力を高めるための具体的方法についてアドバイスした。
その意味では、ここで問題となっている人物に対しては、論理的思考の訓練をする必要があるだろう。だが、論理的思考能力というものは急に身につくものではないので、前者の事例では、当面は2週間前でいいということでいくしかないだろう。あまり複雑なことを言うと、本人は混乱してしまうし、わけのわからないことでケチをつけられたような気分になり、モチベーションが落ちてしまう。論理的思考が鍛えられてからみんなと同じ方式を求めればいい。
論理的思考能力を鍛えるには、学校で勉強した国語の論説文の問題練習を地道にしていくのがいいだろう。仕事に必要なコミュニケーション力を高めるために必要な能力アップだと説明して、自己研鑽に励んでほしいとでも言ったらどうだろうか。
後者の事例については、%という抽象的概念に馴染んでいないことが問題なのではないか。何割とか何%といった概念を使いこなすのが当たり前のように思っている人が多いかもしれないが、じつはそれがよくわからないという人は、意外に多いのだ。