平日は帰りが遅かったが、当時、ホストクラブは深夜営業をしていたことも加奈子には都合よかったし、新しい洋服やブランドものを身に着けていくと、褒めてもらえることがホストクラブ通いに拍車をかけた。
「自宅から近かった池袋のホストクラブに通うようになったんですけど、そこで沼って、女同士の闘いに参戦するようになってしまって。当時、ジンロのボトルが1万円くらいだったんだけど、見せボトルとして4、5万円くらいのヘネシーやコルドンブルーを入れたり、カミュブックやヴァイキングシップは15万くらいだったけど、それを色違いで揃えたり。テーブルをふたつ使って並べて。
池袋ってホストも客もレベルが低いので、被りに対して『ここまで金使えるのか、ブス』って、顕示するいやらしい遊びをしていたんです。けれども、あるとき、わたしが指名していた子がお店のお金を使い込んで飛んじゃった。支払ったはずのお金も、全部売り掛けにされていて」
会社を辞めて性風俗の世界に
“沼る”とは底なし沼にハマるように、何かにのめり込んだり没頭することを示すスラングだが、加奈子の沼った担当は、あまりいいホストではなかったらしい。客が支払ったお金を従業員が横領したということが発覚したならば、それは雇っている側の管理責任になるはずなので、店側の対応には疑問が残るが、とにかく店に入金されていなかったこれまでの飲食代を加奈子が背負うことになり、仕方なく会社を辞めて性風俗の世界に入ったという。
「驚いたのは、性産業って安いってことです。就職する以前、キャバクラでバイトし ていた頃は、枕をすると何十万ももらえたけど、ソープって高級店といっても6万とかで『そんなに安いの!?』って。AVではちょこっと売れたので、風俗も兼業しつつ、年間1億くらい稼いだけど、2千万円くらいは借金が残りましたね」
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