「どうしてボクだけが!」――ダイエットYouTuberとして、今では多くの人から人気を集めるルイボスさん。しかし、健康的な体と精神を手に入れるまでには病との戦いもあった…。10代の頃の彼を引きこもりにしてしまった「謎の病気」とはいったい? 初の著書『痩せたら世界が優しく見えた。』(KADOKAWA)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)

若かりし頃のルイボスさんを襲った「謎の病気」とは? ©文藝春秋

原因不明の病気と襲ってきた激痛

 高校を卒業したボクは、将来のことを考えて、福祉系の専門学校に進学しました。

 ボクの家族は、母と弟の3人で、母は女手ひとつで、ボクたち兄弟のことを育ててくれました。だから、ボクとしても早く社会に出て、働きたいと考えていたのです。

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 でも、そこで思わぬ病気に見舞われてしまいました。

 実は、ボクは小学4年生の頃から、胸の脇あたりに4mmほどの穴があくという病気に悩まされていました。そこから膿が出てきますし、当然、痛みもありました。

 何度か病院に行って診てもらいました。でも、原因も病名もわからないまま、たらいまわしにされ、最終的には「清潔にして、あまり動かさないように」と言われるだけでした。

 また、当時処方された薬は効かず、むしろ炎症がひどくなるだけでした。それでも、放っておいたら、ある程度日数が経つと症状が治まっていましたから、ボク自身はそんなものだと思って、それほど気にもしていませんでした。

 ところが、専門学校に入学してしばらくすると、急激にひどくなったのです。

 症状の出る範囲が広がり、風呂に入って水が傷口に触れるだけで、まるでナイフで刺されたような激痛が走るようになりました。また、体中にかゆみが出て、いてもたってもいられないほどになりました。

 それでも最初のうちは、病院に行こうとは思いませんでした。病院に行ったとしても、また「清潔にして、あまり動かさないように」と言われるだけだと思ったからです。それに、母に心配かけたくないと思ったのも理由のひとつでした。

 だから、しばらくは誰にも言わず、「いつものように、そのうちなおるだろう」と我慢していました。

 しかし、我慢の限界がやってきました。ついに、痛みとかゆみに耐えられなくなって、市立病院に行って診てもらいました。そこで初めて、「良性汗腺腫」という病名が付けられました。皮膚に穴があいて、その穴と穴がつながり、皮膚が裂けていくという珍しい病気で、診てくれた先生からは「ごく稀に患者がいる病気」という説明がありました。

 この段階でなんとか病名は付いたものの、「そもそも原因不明で、効果的な薬もないし、治療法としては皮膚移植しかない」という話でした。