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連載池上さんに聞いてみた。

“とりあえず3年”職場にいたら何が分かる? 池上彰さんが新入社員に伝えた“答え”「真に受ける必要はありません。ただ…」

池上さんに聞いてみた。

2024/06/06
note

Q  「とりあえず3年」仕事を続けたら、どんなことが分かりますか?

 この春から新社会人になりました。希望の職種にもつけ、今のところ職場に不満はないので、少なくとも巷でよく聞く「とりあえず3年」は働いてみようかなと思っています。ふと疑問に思ったのですが、そもそも「とりあえず3年」働いて分かることってどんなことなのでしょうか。(20代・女性・会社員)

※写真はイメージ ©Trickster/イメージマート

A 真に受ける必要はありません。ただ……

「石の上にも3年」という(ことわざ)があるから、ということなのでしょうね。この諺は、辛くても3年は辛抱すべきだという意味で使う人がいますが、本来は「我慢強く努力すれば成功する」という意味なので、3年に意味はありません。「長く辛抱すれば」くらいの意味です。

 でも実社会で3年同じ職場にいると、人間関係ができて、簡単には辞められなくなることが多いのです。つまり若い人に早期退職されたくない経営者や先輩たちが好んで使う言葉。それを真に受ける必要はありませんよ。

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池上彰さん ©文藝春秋

 ただ、私の場合は就職した当初は辛いことばかりでしたが、3年も経つと仕事にもなれ、後輩ができて、仕事が楽しくなりました。結局、辞めることはなかったのです。

 とりあえず働いてみることで、働き始めた頃とは違う組織の顔が見えてくるのです。組織内の人間関係もわかってきます。それが居心地よく感じられるかどうか、それを判断する期間だと思いますよ。

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