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 最近ではいろんな人に、「私のお母さんの名前は『憧れ』なんだよ」と言って回ってます(笑)。

――珍しい名前だからということではなく、ただお母さんの名前をみんなに紹介しているんですね。

金井 そうですね。この1年ぐらいで急激におはなしが上手になったのでみんなに紹介して回ってくれるのですが、この前、公園で初めて出会ったお友達のお母さんにも話したみたいで、「“憧れ”っていうのは何かな?」とその方が話していて、「あ、私の名前です」と返したら、「えっ、“憧れ”?」となりまして。子どもの成長とともに、また私の自己紹介もはじまっていくんだな、と思っています(笑)。

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名付けてくれた親と話し合い、気持ちと考え方が変化

――自分の名前について娘の結なさんが向き合うのはもう少し先のことになるかと思いますが、現状では、どんな風に受け止めていそうですか。

金井 まだ分かってないと思いますけど、「結なはね」と、自分の名前を言ってくれるのはうれしいですね。

 私は、自分の名前で悩みだしてからは、「憧れは」とは言えなかったし、自己紹介の順番が回ってくるのが恐怖で仕方なかった。なので、このまま自分の名前を好きでいてくれたらいいな、と思いながら見てます。

 

――最後に、自分の名前にしっくりきていない方々へメッセージはありますか。

金井 本当に嫌なら、名前を変えていいと思います。実際私も、中学生のときは本気で改名を考えて、その一歩手前のところまでいきました。

 でも、その度に名付けてくれた親と話し合うことで気持ちが変わっていきましたし、社会に出てみたら「覚えてもらいやすい名前ってこんな得なんだ」と、考え方も変わって。結果、今では大切な子どもたちに自分と同じく送り仮名のある名前を付けるまでになりました。

 改名もひとつの選択肢として手元においておきながら、いろんな世界を見て、沢山の人と話して、じっくり向き合ってみてほしいです。

写真=鈴木七絵/文藝春秋

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