1ページ目から読む
2/5ページ目

2~3日で10万円増えた

「それで、あなたはろくに日本語もできないのに生活できているのか?」

「兄に5万ドル借りて仮想通貨に投資した。兄は正確なデータを分析するアナリストチームを持っている。兄の情報をもとに投資で儲けた。今は新大久保で美容院の出資者をしている」

 この時点で疑えばよかったのだが、A子は「あなたは日本に来て初めてできた男友達だ」と盛り上がっていたので、「でも、私は既婚者なので恋愛はできない。SNSで知り合った人と会う気もない」と言っても、「私も同じです。SNSで知り合った人と会う気はありません」と言うので、LINEを交換することにした。

ADVERTISEMENT

A子のLINEの壁紙

「私はあなたに基本的な投資の知識を教えることができます。アメリカでは80%の人がネットで金融知識を学び、投資を通じて余裕のある生活をしています」

 ビットコインが過去最高の高値になってきている話は知っていたし、何年も定期預金にして預けっぱなしにしている50万円がある。それぐらいなら投資に回してもいいんじゃなかろうか。

 私はA子に勧められるがまま、サイトで模擬学習をさせられ、DMMビットコイン(仮想通貨取引所)を経由してCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のホームページに50万円を移行させた。その中にETH/USDTという商品があり、60S、180S、360Sという3つの取引ルームがあった。私のような少額投資者では60Sルームしか入れないというので、試しに取引したところ、あっと言う間に3万円儲かった。

CME 取引には3種類の取引ルームがあると説明

「すごいね!」

「60Sルームは利益率が9%だし、資金の2割の在庫を残した金額でしか取引できません」

「それで十分だよ」

 その後、2~3日で投資した金が10万円ほど増えた。どうも話がうますぎる気がする。すると、A子が妙なことを言ってきた。

「60Sルームは取引時間が短すぎるので、相場が荒れることもあり、取引を続けるのは危険です。同じ資金を使って取引しているのも問題があり、次の取引のために新たな資金を用意する必要があります」