1ページ目から読む
3/5ページ目

ローンを組んで新たな投資を…

「取引で増えた資金は新たな資金にならないのか?」

「もちろんなりますが、180Sルームの方が相場が安定しているし、利益率が20%なのでお勧めです」

「そんなこと言われてももう金がない。60Sルームでいいよ」

ADVERTISEMENT

「だったらローンを組めばいいじゃないですか。私もローンを組んで資金繰りし、投資に成功しました」

ポルシェに乗っていることをアピール

「ローンを組んでまでやるほどのことじゃないでしょう」

「考えてみてください。180Sルームなら1回の取引で28万円も儲かるんですよ。それを1日1回やっただけでも、1カ月後には600万円近く儲かります。ローンを組んだとしても1カ月後には簡単に返せるでしょう」

 そのための資金が120万円必要だという。私の場合、すでに60万円まで増えているから、あと60万円必要とのことだった。

LINEのスクショ(180Sルームで取引すれば借金60万円など簡単に返せると説得されたときの決定的な文面)

 昔、食えなかった頃、消費者金融のカードを作ったことがある。そこから借りれば、用意できない金額ではない。最後はA子に根負けする形で、数十年ぶりにカードを復活させて、60万円を借りることにした。

 果たして、A子の言っていたことは本当だった。1回の投資で20万円単位で金が増え、1日に何回も投資ができるので、元金を含めた利益は250万円まで膨れ上がった。

「ねっ、A子はウソを言わなかったでしょう?」

「一つ聞きたいことがある。なぜ最初から120万円が必要だと言わなかった?」

「あなたは投資が初めてだと言っていたので、お金を貯めていないと思ったんです」

「とにかくA子を信じて」

 話がおかしくなってきたのはここからだ。このままでいけば、1カ月後には600万円近くなると説明していたのに、「あと300万円増資して、360Sルームで取引すべきだ」と勧めてきたのである。

LINEのスクショ(追加で60万円振り込んで180Sルームで取引できるようにしたのにさらに追加資金を振り込んで360Sルームで取引すべきだと提案する文面)

「何のために?」

「180Sルームも荒れることが多いんです。もっとも安全なのは360Sルームで、利益率は35%になります」

「そんなこと言われても、これ以上金はない」

「とにかくA子を信じて。A子はあなたを助けたいと思っているし、稼がせたいと思っています。何のリスクも持たせません。自分の生活を変えてみたいと思いませんか?」

 それほど強欲だと思っているのだろうか。1カ月後に600万円になるのに、今急いで300万円のローンを組むのはナンセンスだ。