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「それは架空投資詐欺と思われます」と弁護士

 着手までは無料で相談に乗ってくれるというので、LINEで現在の状況を説明したところ、「それは架空投資詐欺と思われます」とのことだった。

 投資していないのに、投資しているように見せかける詐欺。十数カ国の言語に切り替わり、数秒ごとにチャートが変化するなど、あまりにも精巧にできたホームページにまんまと騙されてしまったのだ。

CME 精巧につくられた架空のデータ画面

 

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「でも、DMMビットコインは正規の取引所です。そこからどこに金が流れたのかを突き止めれば、振込先口座の名義人、連絡先等が割り出せます」

 DMMビットコインには出金履歴が残されていて、詐欺サイトに金を送った時間、金額、ウォレットアドレス、トランザクションIDといったものが残っていて、それをたどって行けば相手方が特定できるとのことだった。

「もちろん返金の見込みや可能性がまったくないものであれば、こちらとしてもご依頼の方お受けできないので、お断りさせていただくということになってしまうんですけど、諸岡さんの場合はお受けすることができます。返金の可能性があるからです」(事務員を名乗るサトウ)

着手金22万円を弁護士に

 今の時点ではいくら返ってくるかは言えない。確かにそう言っていた。着手金22万円と聞いたとき、それが費用対効果として割に合うのかと考えた。

「このまま何もしないなら0円で終わる。その先生に頼んでみましょうよ」

 妻の言葉にも背中を押され、川口弁護士に依頼することにした。

「ご指定の口座に振り込みました。よろしくお願いします」

「お送り頂きました明細書にて入金の確認とさせていただきます。ありがとうございます。まず先日頂きましたアドレスからブロックチェーンを解析して送金した仮想通貨の行方を追っていきます。進捗は随時ご報告させていただきます」

依頼前に相談窓口専用ラインでやり取りしていたもの

 LINEはそれまでのものから【公式】弁護士川口正輝事務所(ご依頼者様専用LINE)というものに切り替わった。それにしても不思議なのは川口弁護士自身は一度も連絡してこず、「弁護士会が推奨している電子契約サービスのクラウドサインで委任契約書を交わしましょう」とのことで、メールによるやり取りのみで契約を交わしたことだ。全国対応している川口弁護士の方針らしい。だが、そんなことは金を取り返してくれるならどうでもいいとまで思った。