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 ある日、意を決したように彼女から「距離を置いてもらえませんか?」って相談を受けました。せっかく二人で楽しい結婚生活を送れると思ったのに、ぼくの母親と喧嘩の毎日だったら生きるのがつらくてつらくて仕方がないって。ぼくは、忙しい最中ですからね。疲弊して帰って、そんなこと言われたら誰だって胸は痛みますよ。だったらというので、給料をなんとかやりくりして、同じ国分寺の別の場所にアパートを借りて、別居することになったんです。

悲しい声で「妊娠しちゃった」って……

 それからすぐのことでした。ジェニファーから電話が掛かってきて、悲しい声で「妊娠しちゃった」って……。

 うーん、仕事が忙しいことを理由に彼女と母親のことにちゃんと向き合わなかったぼくに責任があるんだけど、これは本当に堪えましたね。もう何も考えられないというか、やさしい気持ちになれないなと。子どもが一人になっちゃうのはかわいそうだったけど、結婚7年目で離婚を決めました。

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 ぼくは、人生で二度離婚をしているんですが、このときは、「よし、つぎの人生へ進んでいこう」というか、まだ三十代半ばってこともあって、ある程度、余力を残して離婚を決意できました。言い訳じゃありませんが、今となっては、後悔しています。ジェニファーや子どもに寂しい思いをさせちゃったんだろうなってね。