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――ミャンマー戦とシリア戦で、他に目立った選手はいましたか。

 中村(敬斗)は良かったですね。ミャンマー戦での2得点はいずれもシュートのうまさが目立ったし、シリア戦も上田(綺世)へのアシストとなるクロスは非常に精度が高かった。三笘(薫)とはスピードに差があるけど、中村は右足でも左足でも蹴れるし、キックの精度が高いので日本の武器になる。ただ、今回は格下相手なので、最終予選で相手が強い場合、守備も含めて、どう自分の良さを出せるか、ですね。

得点力を発揮する中村敬斗選手 ©時事通信社

最終予選は4バックで戦うのが無難なワケ

――今回の3-4-2-1では、従来のサイドバックではなく、ウイングバックを採用していました。これは、どう見ていますか?

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 今回は、2戦とも相手が格下で主導権を握れるので、攻撃的に行くためにウイングタイプの選手を置いてゲームを支配できたし、攻撃面ではよく機能していたと思います。ただ、これをW杯最終予選やW杯で採用するのは、かなりリスクがあるので、怖くて使えないと思いますね。

――リスクというのは、どういうことでしょうか。

 強い相手に主導権を握られるなかで、守勢になった場合、堂安や中村の良さがなかなか出ない。シリア戦でもミスからサイドをうまく使われたシーンがあったけど、最終予選の相手はかなり強いので、そういうところを狙ってくるでしょう。

 また、アジアカップでイランに負けましたが、ロングボールへの対応を含めた守備のリスクを考えると、4バックに戻して戦うのが無難かなと思います。ただ、ある程度リードして余裕がある時や、逆に失点して点を取りにいかないといけない時は、このシステムで勝負に出てもいいと思いますが。

最終予選に向けて修正していくべきポイントは…

――ミャンマー戦、シリア戦の2試合で、主力組ではない選手の評価はどうですか。

 鈴木(唯人)や川村(拓夢)は、今回、すごいチャンスだったと思うんです。2次予選突破が決まったなか、格下相手で力を発揮しやすい状況で出場機会をもらった。でも、彼らのプレーは、主力組に比べると物足りないし、自分の良さを出し切っていない。