今月6日と11日に2026W杯アジア2次予選が行われ、サッカー日本代表はミャンマー・シリアと対戦。それぞれ5-0で快勝し、全勝でアジア2次予選を終えた。現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、この試合をどう見たのか。話を聞いた。
◆◆◆
お互いの良さを理解している堂安と久保
――2次予選の最終戦のシリア戦は、5-0で危なげない勝利でした。
城彰二さん(以下、城) 3-4-2-1というシステムを採用して、ミャンマー戦とは異なる選手を起用してどれだけやれるのか、というのが注目ポイントでした。
シリアのレベルはさておき、ゲームを支配し、チャンスを作る、ゴールを奪うという攻撃面はすごく良かったと思います。特に、2点目の堂安(律)のゴールは、最終ラインから久保(建英)に繋いで、という展開から生まれたけど、2本のパスでフィニッシュできた。これは今後も使えるパターンだと思いました。
――堂安選手と久保選手は東京五輪の時から連携がスムーズですね。
城 彼らはリズムや感覚が似ているし、お互いの良さを理解している。2人とも左利きだけど、どちらかがインサイドに入ったり、外に開いたり、うまくポジションを交換しながらやっている。
久保が堂安にパスを当てて内に入っていく時のタイミングもすごくいいんです。今回は堂安の調子の良さが感じられたけど、久保は故障の影響か、パスミスしたり、キックに少し精彩を欠いていたところがあった。それでもオウンゴールも含め、あれだけ効果的なスポットに入っていくのを見せつけられると、久保の存在は改めて大きいなと思いました。
中村敬斗のキックは日本の武器になる
――久保は今回、シャドーでしたが、トップ下と比べると、どちらがやりやすいように見えましたか。
城 今回の右シャドーのほうが久保らしいプレーができていました。トップ下で固定されるよりは、いろいろ動いてスペースを見つけたり、マークを外したり、周囲をうまく使い、活き活きとプレーしていた。ボールを持った時の仕掛けの勢いとかも、右シャドーのほうが迫力がありました。堂安がいるし、久保を活かすには、ふたりを右サイドに配置していくのは有りだと思います。