奥田民生の「さすらい」に合わせ、脱力気味に踊る制服姿の少女。2023年10月27日、「おでん」を名乗る女子高生TikTokerがアップした動画は瞬く間にバズり、2025年3月時点で905万超の再生回数を記録している。
「さすらいネキ」「おでんちゃん」の愛称で呼ばれ、現在は本名の永瀬碧で芸能活動をしている彼女に、TikTokを駆使した志望校選び、高校生の経済事情、SNS遍歴などについて、話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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志望校決めや友達づくりもTikTokで
ーー「入りたい高校を選ぶとき、TikTokを参考にする」とのことですが。
永瀬碧(以下、永瀬) みんな普通にハッシュタグに高校名をつけて上げてるから、そのコメント欄に「高校の雰囲気どんな感じですか?」みたいな感じでコメントを返したりして。
ーー永瀬さんも、そうやって高校を選んだ。
永瀬 そっちのほうがリアルな声が聞けるから。私はTikTokとネットの口コミも参考にして、志望校を決めました。
ーー通っている高校は、どこが決め手でした?
永瀬 いまの学校の先輩たちの動画に、コメントで結構質問してる人がいて。「校則どんな感じですか?」みたいな。そのやりとりを見て、「ユルいな」みたいな。たとえば「髪染めは結構みんなやってるよ」とか。意外となんでもオッケーで、メイクも大丈夫だったし。髪染めも「緑にしてる子とかもいるよ」って感じだったので。で、入ったらほんとメッチャよかったです。
ーー校内でTikTokを撮っても、注意されないですか。
永瀬 全然。なんなら、先生から「昨日見たよ」みたいな。入学式が終わったあとすぐに「一緒にTikTok撮ろうよ」って、友達を作るきっかけにもなってますし。入学する前から、インスタでみんなとつながるんですよ。
宣伝交換って言うんですけど。たとえば、私の場合だと、ダンスを習ってたから、そこでほかの中学の子と友達になるじゃないですか。で、その子が進む高校が決まったら「◯◯ちゃんは春から◯◯高校だから、同じ◯◯高校に行く人フォローしてね」って投稿してあげて、それがどんどんバーッて。
私も何十人か同じ高校の子とつながって、「入学式で写真撮ろうね」みたいなやりとりをして。