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 良い方向に持っていければ、出版業界全体のプラスになるかもしれないと。個人だけじゃなく、「ほんまる」が出版企業以外の法人の参入を特に促してるのは、そこに理由があります。

 出版に携わりたい他業界の法人の中には、儲かってる業界はいっぱいある。シェア型書店はそういうことのハブになるだろうとか、法人だけでなく、行政のハブになるかもしれないってところが、僕が見据えた未来です。

 さっき言った、ジェンガのように絡み合ったものを変えていくためには、出版業界の自浄作用だけじゃなく、外の力も借りなくちゃならないんです。

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――シェア型書店について、危惧している事もあるそうですが。

 この業界には再販・委託制度というのがあって、シェア型書店のシステムは微妙にそれを侵してるんじゃないかと、法的立て付けとして思ったんですよね。

 これをクリアにしなかったら、行政とか上場企業が安心して入って来れるサービスにならないと思って、まずこの法的立て付けを綺麗にしようと。自分がシェア型書店を出すまでに、弁護士さんに何回も何回も相談して、ちゃんとそこを綺麗にしました。

――シェア型書店の未来について。「悪い方向」のお話を、もう少し詳しくお聞かせください。

 悪い方向と言うか、一時的なブームで終わってしまうこともあり得ると思っていて。シェア型書店に自分の棚を持つ個人は、利益を出したいからじゃなく、趣味に近いんです。あとはそこから派生する繋がりとか、コミュニティに投資してる人。

©文藝春秋

 これって僕は、結構脆いと思ってて……。どこかが崩れたら一気に崩れていくというか。ただ、そこに企業がうまく入って来ることで、個人の負担をもう少し減らせるんじゃないかとは思ってます。色んなバランスをとっていかないといけないですね。