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それが伺えるやりとりが国立市議会であった。この問題が注目を集めてから永見理夫市長は、市議会で無所属の小川ひろみ議員にこんな風に責任を追及された。

「近隣の住民も被害を受けていますから、二人三脚で開発事業を進めてきたのも国立市です。協定を結んでやってきたのも国立市です」

これを受けて永見市長は「条例上の適正を期すために指導してきたのが市です。二人三脚で開発事業を進めてきたという今の発言は誤りですので、訂正していただきたい」と反論をした。

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永見市長がムキになるのも無理はない。実は小川議員は「国立市景観問題闘争のプロ」とも言うべき人物であり、しかも永見市長が初当選をした選挙で、野党統一候補として立ち塞がったライバルでもあるからだ。

反対した市長が4556万円を支払う結果に

この両者の因縁を理解するには、なぜそもそも国立市でここまで景観問題が盛り上がったのかというところから知らなくてはいけない。そもそものきっかけは、東京都初の女性首長となった上原公子市長(1999年~2007年任期)である。

1999年、国立市の大学通りに高層マンション建設計画が出た時、上原氏は景観と調和しないということで、このマンションを「違法建築」として厳しい対応をしてきた。その後、法令的に建設が認められたことで、デベロッパー側が国立市を訴えて賠償命令が出た。しかし、これで話は終わらない。

今回の問題は上原氏個人に責任があるのだから、国立市は上原氏に賠償請求を命じるべきだという住民訴訟が行われて判決が確定。これを受けて国立市も上原氏に約3100万円の損害賠償を求めて勝訴。上原氏は延滞金も含めて4556万円を支払わなくてはいけなくなった。

マンション景観問題をめぐる「因縁」の2人

そこで上原氏を「市民」が支える。「くにたち上原景観基金1万人の会」が立ち上がってカンパを集めた。その事務局長を務めていたのが、先ほどの小川議員なのだ。この活動中、小川議員が野党統一候補として市長選に立候補。そこで事実上一騎打ちとなったのが、当時は副市長だった永見氏である。