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 悪夢の終わりは2002年の冬。同年1月30日、最初に殺害されたBさんの娘で当時17歳になっていたA子さんが隙をつきマンションを脱出、北九州市内の祖父母の家に逃げ込んだ。が、そのことを知った松永は祖父母宅を訪ね、A子さんがシンナーを吸ったり、金を盗んだりと非行に走っていると説明、強引に彼女を取り戻す。

 連れ去られる前、彼女は「おじさんの話は全部嘘、迎えに来て」とメッセージを残すも、その願いが叶えられることはなく、マンションに戻ると緒方から首を絞められたり、通電を受けるなど激しい拷問を受ける。このとき、A子さんは自分の血を用いて「今後二度と逃げ出さない」と誓約書を書かせられ、さらにはラジオペンチを使って自分で右足の親指の爪を5分以内に剥がすという罰を与えられたそうだ。

悪夢の終わり

 それでも彼女は精神が崩壊しないよう懸命に心を保ち、同年3月6日、一瞬のすきを狙い再び祖父母宅へ逃亡。事情を知った祖父母が警察に通報したことで、翌日7日、松永と緒方は逮捕される。警察は当初、A子さんが彼らに監禁され暴行を受けたものとして調査を進めていたが、彼女の供述により父親が殺害されたことが発覚。しばらく黙秘していた緒方が自供を始めたことで事件の全容が明らかになっていく。