エキセントリックなストーカーに濃厚な濡れ場…ブレイク後の不安な瞬間を支えたもの
多くの人に顔と名前を覚えてもらえる朝ドラ出演は大きな転機となった。翌年は話題作『あなたの番です』(2019年)で、エキセントリックなストーカーの尾野幹葉役を怪演してさらに注目を集める。連続ドラマ初主演となった『のの湯』(2019年)では銭湯好きの人力車夫を演じ、毎回大胆な入浴シーンを披露していた。
これ以降、奈緒の出演作は爆発的に増加する。『半分、青い。』と同じように、ドラマ『姉ちゃんの恋人』(2020年)、映画『君は永遠にそいつらより若い』(2021年)、映画『余命10年』(2022年)をはじめ、主人公の親友役を演じることが多かったが、ドラマ『ファーストペンギン!』(2022年)で地上波のゴールデン・プライム帯連続ドラマに初主演を果たす。
セックスレスをテーマにしたドラマ『あなたがしてくれなくても』(2023年)では、かつて上京を後押ししてくれた瑛太とともに濃厚な濡れ場を演じてみせた。
とはいえ、今でもうまくいくことばかりではない。むしろ、自己評価は低いほうだという。
「『この仕事を続けていけるんだろうか』『実力が追いついていないんじゃないか』という不安に襲われることはしょっちゅう。私は器用なほうではないので、いくら準備しても、『足りてないんじゃないか』『今は万全の状態かな?』という不安がついてくる。それが自分の中でプレッシャーになったり、知らず知らずのうちに、自分の評価を自分で下げてしまったり」(with digital 2023年4月13日)
そんなときも「現場に救われてここまで来た」と言う。
「一人になると落ち込むけれど、現場に行けば笑顔になれた。プライベートでどんなにつらいことがあっても『スタート!』の声がかかったら、そこで、役の気持ちに切り替えていかないといけない。俳優ってそういう職業だと思うので、知らず知らずのうちに、昔の自分よりも切り替えがすごく上手になったと思います」(with digital 2023年4月20日)