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一人で没頭することが好きだった彼女の“変化”

 もともとは一人で何かに没頭することが好きだった。小学生の頃はマンガ家になるのが夢で、学年でひとり漫画クラブに所属。「本田なお」という芸名の元になったマンガ『フルーツバスケット』は「一人でいる時間をすごく肯定してくれる作品」だと感じていた(THE CHANGE 2024年5月31日)。

 しかし、演技の仕事をするようになってからは、みんなで一緒にものを作る楽しさを知った。

「ものを創っているときって、いろんなことを共有できるんです。笑いもそうだし、予期せぬことが起こったときには、全員で自分ができることを考えて、一緒に乗り越えていくことができる。仲間がいるんだって思えると、それまでの不安が一気に吹き飛んでいく感覚になりますね」(with digital 2023年4月13日)

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 ものづくりが好きで、何より現場が大好き。根っからの女優だと思う。

「自分自身が自分の選択に責任を持たないといけない」

2020年第33回東京国際映画祭での1枚 ©AFLO

 現在は、母と犬と暮らしている。心配して上京を反対した母には感謝の気持ちでいっぱいだという。

「きっと母も心から反対していたわけじゃないと思うんです。応援してくれる人はほかにいるから、母である自分は、乗り越えようと思う力を引き出す壁になろうと。母の愛ですね」(マイナビニュース 2024年1月21日)

 間もなく30歳を迎える。これからのことについては、次のように語っていた。

「私自身の人生でいえば、自分の選択に責任を持てる生き方をしていきたい。何が好きか、何をいいと思うのか、ちゃんと自分の軸を大切にしながら。30代になれば、仕事でもプライベートでもたくさんの選択が訪れると思うので、ちゃんと向き合う時間を作って、責任を持って選んでいけるようになりたいなと思います」(InRed web 2024年2月12日)

「自分自身が自分の選択に責任を持たないといけない」ということを学んだのは、上京したばかりでまったく仕事がなかった頃だった。自分が選んだ道だから、不遇でも腐ることなく、歯を食いしばって歩んできた。

 芝居で生きていくことは決めている。母も全力で応援してくれている。これからどんな選択を見せてくれるのか楽しみだ。