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おかしな様子の“入り口”
さっそく歩き始めると、入り口から既に様子がおかしい。
廃れてしまった建物があるものの、横を通り過ぎると道が無さそうなのだ。いや、よく見ると道はあるのだが、少々頼りない。
その先では多少頼りがいのある階段になる。グングン標高を稼いでゆく。7時間ドライブしてきた体にはこたえるが、神社を目にしたい一心で登り続ける。
途中、分岐する廃道を見つけたため、寄り道することに。気になるものは解決しておかないと気が済まない。
聖神社への道は最近になって整備された雰囲気だったが、分岐する廃道は古い石積みが築かれており、歴史を感じさせる。少し進むと道が崩壊していたため引き返したが、この付近にはたくさんの道が古くから存在していたことが分かった。
もう一つ気になったことがある。手すりの代わりだろうか、参道に沿って所々にロープが張られているのだが、途中から鋼製のワイヤーに変わったのだ。
直径2センチほどのワイヤーは、とても重いし高価だ。そんな物をロープの代わりに使うというのは、何か理由があるに違いない。
いったいなぜなのか。考えながら30分ほど登っていると、最初の目的地に到着した。周辺の木が切り開かれ、谷を挟んだ対岸がよく見える。そして、その先に見えるのが聖神社だ。断崖絶壁の岩肌に、神社のお堂がすっぽりと収まっている。思わず「うわぁ~」と声が出る。まさに想像を絶する光景だ。
それにしても、とんでもない場所にお堂が建っている。あんな場所まで資材を運ぶとは、とてつもない困難を極めるだろう。この不思議な光景が、聖神社の神秘性を高めている。