【連載 #私の失敗談 第14回】どんな人にも失敗はある。RIZAPグループの瀬戸健社長は「会社を創業してから何度も苦しい時期があった。そのたびに社外だけでなく社内からも厳しい批判を受け続けた。それでも事業を続けるのは、誰かの人生に役立ちたいという思いがある」という――。(聞き手・構成=ライター・山川徹)

撮影=高須力 RIZAPグループの瀬戸健社長 - 撮影=高須力

事業を始めてすぐに訪れた大きな波

起業から20年、苦しい時期は何度も経験しました。

2003年4月にRIZAPの前身となる健康コーポレーションを創業しました。当初は、大豆で作るサプリメントを販売していました。でも、ぜんぜん売れない。資本金900万円はすぐに消えました。

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そこで、地元の北九州市でパン屋を営んでいる両親に手伝ってもらって、おからで作ったクッキー「豆乳クッキーダイエット」を開発しました。栄養があって低カロリーのおからに、ビタミンやミネラルを加えた手作りのクッキーは、爆発的に売れました。

1年目の売上高は2000万円、2年目が8億9000万円、3年目に20億円。通販会社のなかでは1位、2位を争う成長率で、4年目の2006年には売上額100億円に達しました。その頃の楽天市場には約1600万点の商品がありましたが、2年連続で1位を獲得しました。

その矢先、似たような商品が大量に出回る。さらに「ビリーズブートキャンプ」が流行し、ダイエットに関する話題をすべて持っていかれました。

300億円の計画を立てていたが、瞬く間に売り上げが10億円を割り込み、200億円近くあった会社の時価総額も、4億円程度に下落しました。購入した家も売りに出すハメになり、ぼく自身の報酬も十数万円に下げることになりました。

社長が孤立するのは当然

最近だと2019年3月期の193億円の大赤字を思い出す人も多いかもしれません。RIZAPグループはM&Aを繰り返しながら成長してきました。グループ会社数は2019年3月時点で80社以上に増えていました。そうした買収した企業の経営再建に苦しみ赤字に転落してしまった。