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警察のフリをして女子中学生に「服を脱げ。殺すぞ」

 これでいったん服役したが、34歳だった2002年には、自転車で帰宅途中の女子中学生(当時13)に「警察だが、こんな時間に帰宅しているのはおかしい。補導する」と言って、自分の車に乗せて誘拐し、「オレは本当は警察官じゃねえ。服を脱げ。殺すぞ」と脅し、強姦するという事件を起こした。

 また、同様に自転車で帰宅途中だった女子高生(当時15)に「警察だけど止まって」と声をかけ、警備員の制服の肩のワッペンを見せて信用させ、車で連れ去って手錠をかけ、「家に帰りたい」と言う被害者に対し、「それならヤラせろ。ヤラせたらすぐに帰してやる」と言って、2回にわたり強姦した。その際に被害者は両手首に全治7日間のケガを負い、強姦致傷罪などに問われた山下被告は、懲役9年を言い渡された。

天池由佳理被告と山下克己被告を摘発した愛知県警中村署

 そして45歳だった2013年には、2人の女子高生に拳銃型のライターを突き付け、監禁レイプするという事件を起こした。途中で逃げ出そうとした女子高生に山道で車をぶつけ、髪をつかんで顔面を殴打し、全裸にして結束バンドで拘束。SM道具でお尻をスパンキングし、全治13日間のケガを負わせた。もう1人の女子高生も連帯責任としてお尻をスパンキングし、全治10日間のケガを負わせた。女子高生らは恐怖に打ち震え、山下被告と同居し、毎日セックスするという約束をさせられた。

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「この事件でも山下は『女の子を泊めただけ』と起訴事実を否認した。脅して服を脱がせたこともなければ、山中でケガをさせたこともない。ライターは一瞬しか見せていないし、女の子たちもオモチャだと分かっていたはずだなどと言い訳しました。山下は無罪の根拠があって否定しているわけじゃない。

 今回の弁護側の方針も『有罪の立証責任は検察側にある。被告人は無罪を証明する必要はない』というものです。だから、山下はLINEのトーク履歴や検索履歴までも否定している。『天池が自分の携帯を使って勝手に送信したことだ』などと言い訳するので、検察側も呆れ気味に『あなたの携帯を使って天池がメッセージを送り、その返信を天池が自分の携帯を使って送り返したということですか?』などと尋ねていました」(地元記者)

名古屋地裁

 山下被告はA子さんについて「過去に2回買春したことがあり、わざわざ大きな事件を起こす理由がない」と言い、門田さんについては「天池には殺害の動機があるが、自分にはない。天池が自分に罪をなすりつけている」と述べた。

 山下被告の口から反省の弁が聞かれる日は来るのだろうか。