「遺体が埋まっているなんて思いもつかなかった」と語った山下被告
あまりにも具体的だが、これも山下被告に言わせると、ストーリー自体が180度違うのだ。
「天池と門田さんがケンカになり、コンビニの駐車場に車を止めていたときに2人で出て行った。天池か門田さんの知人か分からないが、白いワゴン車に乗った人が迎えに来て、2~3時間してから天池だけが戻ってきた。その間のことは仮眠していたから分からない。天池はその知人に門田さんを送って行ってもらったとか、お金はまた後で払ってもらうとか、いろんなことを言っていた。
その後、天池に頼まれてホームセンターでセメントを買うことになった。白いワゴン車に乗った知人が引っ越しゴミを不法投棄したとかで、地盤を固めるために天池が畑にセメントをまいていた。そこに門田さんの遺体が埋まっているなんて、思いもつかなかった」
伝言ダイヤルやテレクラで知り合った女性を次々脅した前科
一体、山下被告とはどういう男なのか。
山下被告は愛知県で生まれ、名古屋市内の高校卒業後、工事関係やパチンコ店員など職を転々としていた。2度の離婚歴があり、今回の事件時は派遣社員として食品工場で働き、単身生活をしていた。そして、これまでに複数の累犯前科があった。
27歳だった1995年、山下被告は共犯者の男2人と共謀の上、伝言ダイヤルで知り合った女性(当時20)にナイフを突きつけ、「お前をマワすつもりだ。切るぞ」と脅し、共犯者らとともに輪姦した。
また、テレクラで知り合った女性(当時31)の裸の写真を撮り、「この写真をバラまかれたくなければ30万円を出せ」と脅し、女性が警察に届け出たため、未遂に終わるという恐喝未遂事件も起こしていた。
また、共犯者が偽名で交際していた伝言ダイヤルで知り合った女性(当時25)に対し、「何をイチャついているんだ。事務所に連れて行くぞ」と脅し、現金2万9300円と5万円相当のショルダーバッグを奪うという事件も起こしていた。