〈あらすじ〉
1947年、元レーサーのエンツォ・フェラーリ(アダム・ドライバー)と妻のラウラ(ペネロペ・クルス)は、共同経営者としてフェラーリ社を設立した。
10年後、同社は破産の危機に直面していた。前年にひとり息子のディーノが24歳の若さで病死したことで、夫婦関係も危機的状況にあった。実はエンツォには、愛する女性リナ(シャイリーン・ウッドリー)と12歳の息子ピエロという、もう一つの家庭があった。その秘密はやがて、妻の知るところとなる。
公私ともに追い詰められたエンツォは社運を賭け、イタリア全土の公道1000マイルを縦断するレース「ミッレミリア」に参戦する。
〈解説〉
『フォードvsフェラーリ』では製作総指揮をとったマイケル・マンの監督作。フェラーリ創始者の実話を元に描く。132分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆フェラーリの創始者一家の物語。成功してからは、愉快でも痛快でも無く……。勝気な妻役P・クルス、さすがの貫禄。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆対照的に見えるカーレースと家庭が、どちらも大惨事と隣接している。「もたれ」と爆発のせめぎ合いは、さすがに力強い。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆常に闘いを強いられる熟年男の哀れと金庫番として夫を支える妻の嫉妬心が強烈で、エンジン音の心地よさがより恍惚に。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆帝国崩壊の危機に晒された「王」の焦燥。高速で走る車の官能性と表裏一体の悲劇性に、M・マン監督のクールネスが宿る。
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洞口依子(女優)
★★★★☆オペラ悲劇を通じて死や墓への拘り、時代を背景に人物を立たせ動かし人間を描く。ミッレミリアのレース場面に息を呑む。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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フェラーリ(米・英・伊・サウジアラビア)
7月5日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
https://www.ferrari-movie.jp/