北海道に住む小学校3年生のサトルくん(仮名・当時8歳)が、近所の住宅街にある小さな公園内で、中学1年の男子生徒Aから繰り返しわいせつな行為を受ける事件が2021年に起きていた。
サトルくんは精神的ダメージを受けて「死にたい」「中学生になりたくない」と話すようになり、病院で「適応障害」の診断を受けた。ことの発端は、地元の野球チームだった……。
Aはサトルくんと同じ小学校出身で、地元の野球チームの4学年先輩でもあった。Aとサトルくんの出会いを母親はこう語る。
「私たちが引越してきたときに、近所で野球の練習していたのが加害者のAでした。Aが毎日練習している姿を見たのがきっかけで、サトルくんは野球チームに入りたいと思うようになっていたようです。ある日小学校で野球チームのメンバー募集のチラシを見つけてきて、運動は苦手だけどチャレンジしてみようということでチームに入りました」
「俺の下半身を見ろ。お前の下半身も見せろ」
チームに入ったサトルくんはAを含めた野球チームのメンバーと一緒に遊ぶことが増え、スポーツ特有の上下関係はあったものの、とりわけAのことを慕っていた。しかし2021年5月26日、Aはサトルくんに対して思いもよらない加害行為に出た。
“事件”が起きたのは、サトルくんの家の目の前にある公園。隣を車道が通っており、閑静な住宅街ではあるが人通りも少なくない。
その入り口にある車止めに座っていたAが、唐突に自分の性器を露出させると、「俺の下半身を見ろ。お前の下半身も見せろ」とサトルくんに命令し、“見せ合い”を強制した。その後、サトルくんの手をつかむと、強制的に自分の性器を触らせたという。
同じ行為が、翌27日にも同じ場所で行われた。
「Aが公園入り口の車止めに腰掛けて、下半身丸出しで自分の勃起した状態のモノ(性器)を見せ、『触ってよ』とサトルに触らせていました。それを近所の女性が目撃して、『何やってんの!?』と注意してくれたんです。目撃した女性が家の前で待っていてくれて、帰宅した私を呼び止めて『とんでもないものを見てしまった』と、サトルの被害と、Aの下半身を触った手のひらを汚れを落とすようにこすっていたと教えてくれました。夕食の時に息子に確認すると認めたので、怪我がないかと合わせて確認しました」(母親)
サトルくんの被害を知り、母親は動転した。