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深夜に玄関チャイムが鳴り続け、留守電に「殺す」と何十件も…“いじめ告白”炎上の裏で、小山田圭吾と家族を苦しめた「殺害予告」

『小山田圭吾 炎上の「嘘」』より #4

5時間前

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 社会

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ついに「殺害予告」まで…

 16日の夕方には、決定的な出来事が起こった。今度は事務所の社長である岡のケータイが鳴った。見知らぬ番号だった。

「玉川警察署の者ですけど……」

 警察から直接電話が来るとは何事かと思った。話を聞くと、ネットの掲示板に「殺害予告」と、「会社に放火する」という書き込みがあったので、しばらくの間、自宅と会社の周囲の見回りを強化します、とのことだった。どうやらファンが見つけて、警察に通報したのだという。岡は「わかりました」と冷静に電話を切ったものの、狼狽は隠せなかった。

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取材に応える小山田さん ©文藝春秋

 マネージャーである高橋がリハーサルの現場を引き上げ、会社に戻ったのは午後9時。周囲には不審な人物や、メディアの気配はなかった。人目をはばかるようにして部屋に入る。殺害予告の直後だったので、電気はつけずにリビングへと向かった。

 突然、普段は鳴ることのない固定電話のベルが鳴った。怖くて取ることができない。すると、その直後、また電話が鳴った。よく見ると、暗闇の中に留守番電話を知らせるボタンが点滅していた。恐る恐る再生ボタンを押した時だった。

「もう、それが男性だったのか、女性だったのか、若い人なのか、年配なのか。まったく覚えていないのですが、とにかく『死ね』『消えろ』『殺す』と、脅迫の電話だったんです。それが何件も連続して録音されていました。とても全部を聞くことはできませんでした」(高橋)

 真っ暗闇の中で言い放たれる、殺意のある言葉たち。小山田に責任がまったくないわけではない。けれどもこのような集中砲火を受けねばならぬ理由があるのだろうか。それから数週間、暗闇の中での生活が続いた。止まることのない電話、留守番電話のメッセージ。さすがに耐えきれなくなり、岡は会社の電話線を抜いた。「死ね」と書かれたハガキが束で届いたこともある。

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