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――すぐにでも警察や救急車を呼ぶべき状況ですよね。

かりんこ 早く病院にいかなきゃいけないのは間違いない。でも目を血走らせながら、「別れるなら帰さない」とぶつぶつ言っている彼をこれ以上刺激するのが怖くて、警察も救急車も彼の目の前では呼べなくて……。

かりんこさんは、元恋人「彼ピッピ」にフォークで鼻を刺された経験を漫画化して大きな反響を呼んだ(『メンヘラ製造機だった私が鼻にフォークを刺された話』より)

血まみれのまま必死で隣人宅に助けを求めた

――漫画では、彼の隙をついてお隣さんに助けを求めるシーンが描かれていましたね。

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かりんこ はい。一度だけですが、お隣さんに挨拶したことがあって。そのときのことをお隣さんが覚えているかは分からなかったけど、それどころではなかったので。よく知らない人だから、恥ずかしいから、というのを考えて迷っていたら、その間に冷静さを失っている彼に殺されてしまうかもしれない、と思ったんです。

――どうやって家の外に出て助けを求めたのですか。

かりんこ 逃げ出す隙を作るために、彼の股間を蹴って、うずくまっている間に部屋の外に出て。玄関にあったゴルフバッグで外からドアを塞いで、お隣さんの玄関のチャイムをならしました。そしたら、すぐに隣人の「ぴょんす」さんと、その彼女の「ナツ」さんがドアを開けて中に入れてくれて。

 2人とも「隣の部屋で、喧嘩の声と人が倒れた音がする」と気になって、窓越しに様子を窺ってくれていたんです。すでに警察も呼んでいてくれて、本当に助けられましたね。

 

――しかしそのあと、彼が隣の部屋を訪ねてきますよね。なぜ、かりんこさんが隣の部屋に逃げ込んだと分かったのでしょうか。

かりんこ 漫画には描かなかったのですが、廊下にポタポタ落ちていた血の跡を辿って来たようです。

――ゾッとしました……。

かりんこ でしょう。なのに玄関越しに、何も知らないふりをして話しかけてくるんですよ。「近くでうるさい音がしていましたけど、何か知っていますか」って。

 できるだけ誰にも知られずに私を回収して、事を済ませようと考えたんでしょうね。やばいことが起きているのは彼も分かっているんだけど、自分の罪だとは認めたくなかったんだと思います。