精神的なネグレクトや兄弟間での酷いえこひいきなど、親から辛い思いや経験をさせられた子どもはどうやって立ち直っていけばいいのか。臨床心理学者である著者が、臨床現場における豊富な具体例と数多の文献をもとに、その具体的な方法を導き出したアメリカ発の本書。世界では100万部超の大ヒットとなっている。
「本書では、親子関係に苦しんできた子どもが自分の親の特徴を理解し、親を客観的に見られるようになるために、いわゆる毒親とは一体何なのかが詳細に説明されています。毒親を《精神的に未熟な親》と称して4つのタイプに分け、親がそうなってしまった原因や親が抱えている心の問題などにも触れている。ここが類書にはない魅力で、『毒親=ヤバイ親』といった固定化・単純化されたイメージが払拭されると思います」(担当編集者の能井聡子さん)
《些細なことにも過剰に反応することがよくある》《言動や考え方が自分とちがう相手を前にすると、よくイライラしていた》等の項目からなる、親の精神的な成熟度を確認するチェックリストも掲載。子を持つ人は自身の確認もできそうだ。
「当初は『毒親に育てられた人』のみを読者に想定していましたが、いざ刊行してみると、毒親にならないためにはどうすべきかという視点で育児書的に読んでくださる子育て中の方も多く、意外でした」(能井さん)