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――アイヴァン 7285は海外でも評価が高いというお話でしたが、いわゆる“爆買い”の影響もあったのでしょうか。

山本 一時的にはありましたけど、もう少なくなりましたね。とはいえ本当にアイヴァン 7285を好きなお客様は、青山の旗艦店までいらしてくださったり、指名買いでフレームを購入されることも多いです。

――海外に向けても積極的にプロモーションをされているのですか。

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山本 海外からのお客様に関しては、SNSの影響が大きいと思っています。インスタグラムやフェイスブックなどSNSを通じてのプロモーションが国境を越えて成果を上げている。SNSでのプロモーションについては欧米のほうが進んでいると思うのですが、グローバルブランドとしてやっていくからには、ここをより強化していかなければならないと考えています。我々みたいな小さなブランドでも国境を越えたPRができるという点で、SNSの存在はありがたいですね。

 

メガネを切り口に日本の魅力を伝えたい

――ちなみに、山本さんはメガネを何本ぐらいお持ちなのでしょうか。

山本 50本ぐらいですね。他社のフレームも持っていますが、かけるのは自社ブランドのものだけです。やはり自分が自社のブランドを愛さなくてどうする、ということで(笑)。ちなみにうちの会長は200本ぐらい持っています。ヴィンテージフレームに対する造詣も深く、その一部は店舗にも展示しています。

――山本さんは2代目ということですが、家業を継ごうと初めから決めていたんですか?

山本 何か自分でビジネスをしたいとは思っていましたが、最初からメガネ業界とは決めていなかったですね。でも、子どもの頃から仕事をしている父親の姿はカッコいいと思っていましたし、父親がやり残したことをランナーとして継いでいることは、すごく幸せなことだと思っています。

 メガネって視力矯正器具としての側面と、ファッションアイテムとしての側面もあって、さらには文化的な背景もある。つくづくおもしろいアイテムだなと思っているんです。メガネを通してクオリティの高い日本のモノづくり、日本の文化を発信していくことは、とても意義のあることだと自負しています。これからもメガネを切り口に日本の魅力を伝えていきたいですね。

 

写真=平松市聖/文藝春秋