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なぜトランプは生き残ることができたのか? 不肖・宮嶋がみたシークレット・サービスのヤバすぎる実態

10時間前
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 この日も「SECRET SERVICE SPECIAL AGENT」と刻まれたバッヂを腰に付けた屈強な男たちや女性がトランプ大統領を取り囲み、カーゴローダーの一段高いポイントでは「SECRET SERVICE」のパッチを背負ったスナイパーがスポッター(観測手)とともに非常事態に備えていた。

©宮嶋茂樹

 足下にはSR-25スナイパーライフルにそれより一回り大きなのはカタログでも見たことない50口径だろうか、大型長距離狙撃銃が置かれていた。スナイパーのバディ(相棒)観測手の手にも軍艦の艦橋に据えられているような巨大な双眼鏡が握られている。

 今回の銃撃事件でも犯人を直ちに射殺したのもこのシークレット・サービスのスナイパーと言われている。それでも警護対象者のトランプ候補や集会参加者は撃たれ、参加者の1人は亡くなった以上この日の警備は大失敗なのである。警護対象が軽傷で済んだから良かった良かったとはならんのである。

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熟練のスナイパーにとって120mは「至近距離」

 米海兵隊のスナイパーは最大800mの距離でのワンショット・ワンキル(一発必中)を求められるという。要人暗殺がメインの軍のスナイパーと人質救出のためにその背後の犯人だけを射殺する場合も予想される警察のスナイパー、要人警護のためにその危険を排除するためのシークレット・サービスのスナイパー、目的は違ってもおそらく海兵隊と同じく800mくらいまでの距離で一発必中の訓練を受けているのではないやろか。

 そんな訓練を受けたスナイパーにとって120mは「至近距離」も同じである。それで犯人が8発も発砲するまで気が付かんかったとしたら、スナイパーとしたら大失態であろう。

 今回のトランプ候補銃撃事件が11月に行われる大統領選に与える影響は大きくなるのは国際政治に疎いワシでも想像に難くない。アメリカでの銃規制に反対するNRA(全米ライフル協会)の支持を受けたトランプ候補が銃犯罪の被害者となろうと銃規制に賛成する側に回るとは思えん。

 だが先月のテレビ討論会での弱弱しく見え、演説中も人名をたびたび言い間違えた現バイデン大統領に比べ、顔面に流血しながらもこぶしを振り上げるトランプ候補の姿はアメリカ国民が好む強いリーダーと見えたはずである。

なぜトランプは生き残ることができたのか? 不肖・宮嶋がみたシークレット・サービスのヤバすぎる実態

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