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「中学生でそんなことも知らないの?」“栃木の山中にポツンとある実家”で育った井上咲楽(24)が、中学時代に初めて経験したこと

井上咲楽さんインタビュー #1

9時間前

genre : エンタメ, 芸能

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学校で目立つための作戦を立てていたが…

――学校で目立つために、自分の良さをアピールする場はあったのですか。

井上 運動会とかで目立つ作戦は立てていたんですけど、短距離とかリレーは足が速くないので難しかったですね。唯一、目立てたのがシャトルランでした。短い距離を走って、回数を重ねていくごとに脱落者が出て人数が減っていくんですけど、最後の方まで残る人には、みんなが応援してくれるんです。

 だから、シャトルランなら注目されると思って、心肺機能を高めて長距離の練習をしました。それで最後まで残ると、「井上、すごいな」「あいつ、シャトルラン、こんなに強いんだ」と言われるのが快感で、気持ちよくて(笑)。そのために頑張るみたいな感じで、ひねくれた目立ち方をしていましたね。でも、これがのちにマラソンをする際、すごく活きた感じがします。

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バレー部に入った影響で性格が一気に陽気に

――中学生時代も目立たない感じだったのでしょうか。

井上 いえ、中学は性格がガラッと変わってオープンになり、それまで陰気な性格だったんですけど、一気に陽気になって、いわゆる中学デビューみたいな(笑)。

 バレー部に入った影響が大きかったです。部の仲間たちがすごく明るくて、思ったこと、やりたいことをすぐに口に出して話をするんですよ。そういう人に囲まれているうちに、自分も明るくなっていって。

 小学校時代に文集でバカにされてからテレビに出たいとか言わなかったんですけど、中学でバレー部のみんなに出会ってからは「テレビに出たい」と口に出して言うようになりました。

――テレビに出るための自分の強みとかは考えていたのですか。

 

井上 その頃の私は、自分のことをおもしろいと思っていました。例えば、私は栃木の山の中にある家に住んでいたので、コンビニのおにぎりとか食べたことがなかったんですよ。開け方もわからないから、中学時代に初めて食べたとき、海苔がぐちゃぐちゃになってしまって。

 それを見たバレー部の子たちが「中学生で食べたことないの?」「中学生でそんなことも知らないの?」って笑いながら言うので、「私っておもしろいんだ。だったら芸人になりたい」と思うようになったんです。でも、それは笑いを取ったのではなく、ただ笑われていただけ、ということにあとで気づいて、かなり落ち込みました。