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周囲の見る目がちょっと変わった

――『新婚さんいらっしゃい!』のレギュラーを持つことで自分の評価、周囲の見方なども変わってきましたか。

井上 大きく変わりました。レギュラーが決まって、そのニュースが出た翌日に番組の収録があったんです。共演者の楽屋に挨拶へいくと、みなさん「おめでとう」と言ってくださって。廊下ですれ違う方からも「おめでとう」と声をかけていただいたんです。

 それまでと接し方が違う……という言い方をしていいのか分からないですけど、周囲の見る目がちょっと変わったかな、とは思いました。

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 それに『新婚さん』をやるようになってから、地方に行くとおじいちゃん、おばあちゃんにしゃべりかけてもらう機会も増えましたね(笑)。そういうのを経験していくと、やっぱりテレビの影響力はすごいなって改めて感じました。

フラットな状態で収録に臨めるように

――『新婚さん』以外の番組に出演する際の気持ちにも、変化が生じたりしましたか。

井上 以前は、バラエティ番組に出る際、こんなにおもしろい人たちの集まりに私なんかが入って申し訳ない、みたいな気持ちがあったんです。その不安が顔に出ていたから、共演者の方に「この子、大丈夫?」みたいに思われたこともあったと思います。

 でも、『新婚さん』が決まってからは、「『こいつ、すごくつまらないのになんでここにいるだよ』って思われているかもしれない」というネガティブな感情や激しい思い込みが取り払われて、フラットな状態で収録に臨めるようになりました。

『新婚さん』に出ているという事実が、おもしろい人たちの中にいても、自分が堂々としていられるお守りみたいになったんです。

 

――ネガティブな感情が取り払われたことで、不安も薄れていったのですね。

井上 ネガティブな感情って、やっぱり足を引っ張るんですよ。何かのエピソードを話す際、いつも「自分は所詮おもしろくない」という卑屈な感情を持っていたので、話が尻すぼみになったり、変なテンションになったりして、周囲の人がうまく拾えない、みたいな感じになっていたんです。

 でも、レギュラーという確固たるものができて、それまで自分を支配していた変な感情がなくなったので、すごくやりやすくなって。そういう意味でも『新婚さん』は、私にとっては、大きなターニングポイントになりました。

撮影=山元茂樹/文藝春秋

◎衣装情報

・ワンピース‥‥MARIA(MARIA JAPAN GROUP)

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・靴‥‥MANA(コンコルディア)

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