厚生労働省の「人口動態統計」によると、日本国内の婚姻件数は、1970年から1974年にかけて年間100万組を超えた。なかでも1972年は、過去最高の109万9984組だった。人口1000人あたりの婚姻件数(婚姻率)は10.0以上。しかし、その後は下降していく。2016年は過去最低の62万0531組、婚姻率は5.0だった。
「おひとりさま」の比率は上昇傾向
婚姻率減少は、未婚率上昇を意味する。「国立社会保障・人口問題研究所」の「人口統計資料集2018」によると、50歳時に未婚の割合を示す「生涯未婚率」(45〜49歳の未婚率と、50~54歳の未婚率の平均)は、男性の場合は23.4、女性の場合は14.1。いわゆる「おひとりさま」の比率(2015年)だ。いずれも、上昇傾向だ。
都道府県別で見ると、生涯未婚率が最も高いのは、男性の場合、沖縄県(26.20)だ。次いで、岩手県(26.16)。3番目が東京都(26.06)だ。
女性の場合は、トップは東京都(19.20)、次いで北海道(17.22)、大阪府(16.50)の順だ。
経済的な理由で結婚できない人が増えている
「国立社会保障・人口問題研究所」の「出生動向基本調査(独身者調査)」(2015年)によると、男女ともに「適当な相手にめぐりあわない」がトップで、「まだ必要性を感じない」、「自由さや気楽さを失いたくない」、「結婚資金が足りない」などが上位を占めている。
生涯未婚率が高い府県の担当者は「いろいろな要因があり、なんとも言えない」(沖縄県企画部企画調整課)というが、「女性の地位が向上し、就労の機会が多く、社会進出をしていること」(大阪府子ども室子育て支援課)が考えられるという。
山田昌弘・中央大学文学部教授(家族社会学)は「経済的な理由で結婚できない人が増えている。女性にとって“適当な相手”は経済的に安定している男性のこと。それに、生涯未婚率が高い地域は、(結婚したら女性は家に入るという)イエ意識も高い」と話す。