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 高崎電気館からさらに進んで路地に入り込めば、こちらには小さなスナックや、ちょっぴりいかがわしい方面の店がひしめくザ・昭和の歓楽街。その先のメイン通りには柳の木が植えられていて、その名も「柳通り」という。

 

 この一帯は柳川町といい、江戸時代には武家屋敷だったが近代以降には遊郭が建ち並ぶような遊興地だったという。群馬県は全国ではじめて公娼制度を廃止した県だが、柳川町には私娼として遊郭が残って営業を続けた。

 兵隊さんがたくさん暮らす軍都であり、物資が集まる商業都市でもある。そういう背景から、往年の柳川町の賑わいは相当なもので、「北関東の吉原」などと呼ばれていたそうだ。

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 さすがにいまでは、遊郭街というにはムリがあるが、こうしたレトロなアーケードや歓楽街も、高崎という町の偉大なる存在感をうかがい知ることのできる、いまに残る街並みのひとつといっていい。

「高崎は群馬県の、そして前橋の玄関口でもあるというわけだ」

 高崎をいまだに北関東第二の都市たらしめている大きな要素のひとつ、高崎駅。今年で開業140周年を迎える。駅ビルには、誇らしげに「140周年」と掲げられていた。

 

 開業以来、高崎駅は群馬県の玄関口であり続けてきた。県庁所在地の座は前橋に明け渡したが、その前橋とて高崎を通らなければ行くことができない。言い換えれば、高崎は群馬県の、そして前橋の玄関口でもあるというわけだ。

 だから、というわけでもないのだろうが、高崎駅は群馬県のキャラクター・ぐんまちゃんと大コラボを展開していた。新幹線のコンコースではぐんまちゃんのグッズショップが出ているし、東口の駅舎にはぐんまちゃんが描かれて「ぐんまちゃん駅」などと掲げられている。

 

 まるで、高崎こそ群馬と言わんばかり。でも、これって前橋の人から見たら、心穏やかではいられないのではなかろうか……などといらぬ心配をしてしまうのであった。

写真=鼠入昌史

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