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吉川はスポンサーフレンドリーな選手か

 秒数。フェンス付近への打球回数ではなく、外野へ飛んだ打球全般が何秒間広告を映したかの方が効果測定としては正確なのではないか。それならば、吉川にも分があるかもしれない。

 いてもたってもいられなくなり、GIANTS TVを再度開き、外野へ飛んだ打球について見直す。「打撃にのみフォーカスしているが、守備中のファインプレーの方がフェンスが目立つのでは」と途中で気づきかけるも無かったことにしたり、フェアゾーンの両端にあるが故なかなか打球が飛ばない「プレミアムモルツ」「大和証券」の看板に打球が飛ぶと「うおお」と内心でエキサイトしたりしながら(岸田がこのあたりの打球をよく放っていた)、集計を続けた。

 そして、「外野へ飛んだすべての打球が広告を映した秒数」をカウントし終わると、以下の結果を得た。

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【外野へ飛んだすべての打球がフェンス広告を映した秒数】
1位 吉川尚輝 541秒
2位 岡本和真 449秒
3位 坂本勇人 442秒
4位 丸佳浩 344秒
5位 門脇誠 222秒

 1位は吉川だった。岡本・坂本に加え、首位打者争いを繰り広げる丸、レギュラー定着に向けて起用が続く門脇を抑え、最も外野のフェンス広告を映していた。吉川は裏切らない、いつでも好守に巧打で結果(こたえ)を我々に見せつけてくれている。

 こうして、今ジャイアンツで最もスポンサーフレンドリーな選手は「吉川尚輝」であるという資料が揃った。

『次の、製品キャンペーンの広告塔に読売ジャイアンツ・吉川尚輝選手を推薦します』

 こんな提案ができるかどうかは分からない。しかし、吉川がこのままチームを引っ張る活躍を続けてくれた暁には、こんなデータがなくとも世の中の企業が見逃してくれないだろう。競合他社に先に見つからないように、我が社が先に吉川を起用してくれることを心より祈っている。

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