しばらく沈黙すると、視線を上に向けて「うん」と頷いた。貴乃花との話し合いの状況や自分の感情を思い出し、「乗り切ろうという気持ちになれてない」ということを再確認したのだろう。
それでも「私もまだはっきりと、まだ自分の気持ちが整理できていない。人生最高のパートナーという人にはなれなかった」と顔を上げて頷いた。
会見では「大きな問題があった時に、乗り越えられるのは彼と力を合わせられるから」といい、何度も、「それを乗り切ろうとする2人の気持ちがなかった」と眉を上げた。
眉が上がるのは不愉快な気持ち、言いながら何度も繰り返し頷く姿からは自分を納得させようとしていることが読み取れる。
「絶対に解決できる問題だった。それができなかったのが…」
“別れることになった原因は”とストレートに聞かれた時は、不愉快な感覚が生じたのだろう。口を尖らせ「う~ん」と肩をすくめて首を傾げる。「別れることになった原因」と小声でつぶやき、「お互いの気持ちが1カ月の間に……1カ月の間に」と時間の流れを繰り返し、「気持ちが通わなくなった」と淡々と話した。理由を説明しながらも納得していない様子だった。
りえさんの貴乃花に対する思いが溢れたのは、“会いたいという気持ちが強かったと思うが”という質問を受けた時だった。
りえさんは大きく頷くと、「もっと話す時間がいっぱい、いっぱいあれば」と語気を強め訴えるように強調した。
これが彼女の本心であり、貴乃花と連絡が取れない間も、対話を切実に求めていたことがわかる。続く「絶対に解決できる問題だった。それができなかったのが、すごく疑問だし、残念だった」という発言からも、困惑と不満が見て取れた。
1カ月ぶりに会った貴乃花については「フィルターがかかって見えました」と笑顔で答え、「強い横綱になって下さいと言った」という時には大きく笑い、顎を上げるようにのけ反った。悲しい時、悔しい時に人は逆に笑い出すことがあるが、彼女の笑いはそんな印象だ。それでも目の力は消えていなかった。
貴乃花に対する感情については、「味わったことのない強い気持ちで、全然後悔していない」と言いながらも、「1カ月前の気持ちとはちょっと違う、言葉ではいい表せない気持ち」と切ない表情で続けた。