「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌だから」
婚約破棄の原因がどちらサイドにあったかを探ろうと、“りえさんの気持ちは変わらないか”と記者が質問した時には、「うん」と高いトーンで返事をし、唇を軽くなめて身体を引いた。
続けて“貴関の気持ちが変わってしまったのか”と聞かれると「う~ん」と今度は低い声を出し、わずかに首を傾げる。貴乃花のせいにしたいわけではなく、まだ混乱している内面が溢れたように見える。
それでも上体を起こし、「恋愛の感情はどちらのせいっていうのは嫌」「悲劇のヒロインになるのは絶対に嫌だから」と微笑んで見せた。悲劇のヒロインという表現から、彼女の気持ちや意志に関係なく破談されたのだろう。だがそうするしかなかっただろう貴乃花の状況も、彼女には理解できたのだと思う。
芸能界は「もう辞めてという気持ちでいた」
“引退しないのが原因か”という核心に迫る質問を受けると、大きく息を吸って背筋を正し、「宣言しなかったので、引退しないととられたけれど。私の気持ちとしてはもう辞めてという気持ちでいたので」と眉を上げた。
「貴関にも伝えてあったんですけども」と大きく何度も頷いたのは、自分としては意志を伝えたつもりでいたからだろう。
破局の原因がりえさんの母親にあるという報道についての感想を求められた時は、否定も肯定もせず「自分が何も考えず突き進んでこれたのは、あらゆることから守ってくれた母がいたから」と胸の前で手のひらを広げ、大切な物を抱えるような仕草を見せた。「私がわかっていればいいかな」と笑う。貴乃花だけでなく、母親のことも悪者にしたくないという意識が見て取れる。
会見の最後に“2人だけの問題ではなく周囲の影響があったのか”と問われると、「こういう愛の形もあるんだな」と大きく頷いた。
「すぐに気持ちが冷めることはないが、整理はつけました」「恋愛はすべて半分半分」「被害者的な気持ちにはならない」「今も後悔していません」と最後まで姿勢は崩さなかった。
彼女の表情や言葉からは貴乃花への未練は表立って感じられないが、解決へ向けた努力もできず、2人での話し合いも満足にできなかったことへの悔しさが、何度もにじみ出ていた。